2021-12-25

大雪立往生での一酸化炭素中毒の原因について

大雪になると立往生した車のCO中毒死の危険が叫ばれるが、はっきり言ってこの責任メーカーにある。車の構造問題からだ。

そして構造的にCO中毒死し易い車の方が売れているのである

更にちゃんとその辺りの説明が出来ずに漠然危険性だけを叫んでいるマスコミにも問題がある。

これについて説明する。

CO中毒死の最大の危険性は通気口にある

自動車エアコンシステムには冷暖以外に内部循環と外気導入があるのはご存じと思う。

外気導入にするとバルクヘッド(運転席と前部エンジンルームの隔壁)に開いた穴のシャッターが開き、ファンを通して室内に外気が吹き込まれる。

だが出口が無ければ室内の気圧が少々高くなったところで空気は入らなくなる。

その為に出口となる通気口必要だ。そしてこの通気口は換気の用を為すためにも室内空間のなるべく後ろ側にあった方が良い。

因みにこの通気口はドアを閉めた時の閉まりやすさにも影響する。通気口が無いか狭い場合、ウエザーストリップ(ドアのゴムパッキン)の圧縮にも力が奪われた上で空気圧縮する事になるので、力の弱い人はドアを閉める事が困難になる。

 

ここから排気ガス侵入するのである。そして構造上、ワンボックスワゴン型がとにかくこの問題脆弱である

最近売れているトールバントールワゴンもこれに含まれる。

後部通気口はどこにあるか

この問題の後部排気口は今の車では隠されている。

それ故オーナーがその危険性を認識しにくいし、掘り下げ力が足りないマスコミも然りである

車内の最後部に配置する必要から、その場所は車種により異なる。

 

セダン

最近めっきり減ったセダンだが、後部通気口位置は洗練されていることが多い。

概ね、左後ろ座席のドア(右ハンドル車)に仕込んである事が多い。ドアを開けるとドアか車体側のウエザーストリップの外側にスリットや穴が見える。これが外側の通気口だ。

内側はドアの内張りにスリットがあったり、アームレストに隙間があったりする。更にシートの裏側に穴があって、トランクを通過してドア部シャーシ側に開口している凝った作りのものもある。

いずれにしろこの構造だと排気ガスを吸いにくいか比較安全構造と言える。

 

ワンボックストールワゴン

ズバリ言うと、左側ボディ側面最後部のバンバーに隠れる場所にある。具体的にはこの動画の14:53付近を見てもらうと判り易い。

https://youtu.be/4fphaU3cdVo?t=893

これは今塗装中でバンパーが外してある。これは外車左ハンドルなので右にあるが、右ハンドル日本車なら反対側の左の同じ場所に同じように配置されている。

内側はその上の荷室内後部に内張りにスリットがある場所や内張りに隙間が設けてある場所があるはずだ。トールワゴン所有者は実車確認して欲しい。

 

この場所ははっきり言って最凶最悪の場所だ。何故なら普段バンパーで蓋がされているが、そのバンパーはフラッシュサーフェス化の為に下部以外車体をピッタリ覆うものからだ。

降雪立往時のワンボックストールワゴンの車内は水上置換実験と化す

この構造で後ろのマフラー付近が雪で覆われたらどうなるか?

車体下部はさながら水上置換の集気びんだ。排気ガスはどんどん供給され、更に暖かいので上に上ろうとする。そこに脱出口が一つだけある。

それが後部通気口だ。排ガスに含まれるCOは重いので普段は下にたまるが、排ガス自体暖かい上に閉鎖空間にどんどん供給されるので一緒に室内に入っていく。

ここの通気口にはバルブやシャッターはない。入りたい放題だ。「換気の為」と思い窓を少しだけ開けていればその速度は加速されるかもしれない。

嘗ては車体外板に開口があった

昔はこの後部通気口もっと車体の上の方に見える形であった。

例えばこれはケンメリ型スカイラインだが、Cピラーにある。

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Nissan_Skyline_C111_2000_GTX-E_001.jpg

ガーニッシュ(飾り)を兼ねていた時代のものだ。必要な開口なのでデザインに取り込んだのだな。

 

これは80年代ハイエースだが、車体後部にスリットが見える(この型は車体両側にある)。

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/6/64/Toyota_Hiace_50_Wagon_001.JPG

 

こうやって見える所にあると、排ガス侵入しにくいだけでなくて、オーナーがその役割や仕組みを認識やすい。

ここに水がかかれば車内に侵入しそうだし、外部の臭い有毒ガスもここから入りそうだと想像がつく。

騒音低減の為に場所が隠された

これらの開口部はフラッシュサーフェス化の邪魔になる。

そもそもフラッシュサーフェス化する理由は、空気抵抗低減と騒音低減の為だ。出っ張りや凹みというのは高速走行時にそこで空気の乱流や渦(カルマン渦列)を生む。乱流はゴーーという音で、カルマン渦はピューーという音だ。

この為にドア外板の中とかバンパーの裏に移動させられたのだ。更にバンパーもフラッシュサーフェス化されているので鉄のバンパーむき出しではなく、ウレタン樹脂で車体と面一にするカバーが付いた。

走行中の車体付近空気が流れているから負圧になっており(ベルヌーイの定理)車体下も然りなのでこんな奥に隠された場所でも空気が吸いだされて用を成す。

 

代わりに全然考慮されていないのが停車時の排ガス侵入である。ウレタンバンパーの上部は外板と密着しているから上った空気は上に抜けず通気口に全量が入ってしまう。

排気管破損でのCO中毒死も惹起する

2016年には三重県駐車場で仮眠中の19才二人がCO 中毒で死亡するという事故も起きている。

https://www.sankei.com/article/20161007-EJKMGZCUSJIRFLJ6U4NPX3TUMA/

この車両も軽のトールワゴンである。軽微なマフラーの破損が死亡事故に繋がったものだ。

一般的マフラーの破損はCo中毒に繋がりやすく注意が必要故障なのだが、それでもトールワゴンのこの通気口場所という脆弱性が無ければ死亡には至らなかったとしてか思えない。

 

マフラーが少々壊れただけで死ぬ、という構造安全性の面からどうなのか?個人的には相当にイカレてると思う。

トールワゴン流行歴史的経緯使用目的

トールワゴンSUVから派生した、クロスカントリー性を撤去した低床レジャービークルである

故にこういう特徴がある。

セダン車中泊しにくい、通気口安全場所にある

 ↓

SUV車中泊やすい、通気口排ガス侵入やす危険場所にあるが車高が高いので塞がれにくく事故には至らない事が多い

 ↓

トールワゴン車中泊やすい、通気口危険場所にあり車高が低いので雪で容易に水上置換状態になる

 

という訳で、構造的な危険性がちゃん認識されないままになし崩し的にSUVをそのまま低床化してしまったのだ。

 

更に車中泊やすいのが問題で、起きていればCO中毒の初期症状、頭が痛い、眠いなどに気が付くが、寝てしまえば死亡事故まっしぐらである。つまり使用目的の上でも危険性が高い。

 

メーカー危険性をちゃんと周知させ構造も変更すべき

隠されているために後部通気口の事など知らないオーナー殆どだろう。

からマニュアルにも記載し、シール貼付などで「この車の通気口はここにある」「ここから排ガス侵入する」と表示するのが必要と思われる。

またマスコミちゃんとこの事故構造問題認識して啓蒙に努めて欲しい。バンパーを外して「ここに通気口があるせいで排ガスが入るんですよ」「寝てた場合は必ず死にます」という報道をしているのを見た事が無い。

 

更にオーナー団体の元締めJAFですら認識が不十分だ。

https://jaf.or.jp/common/kuruma-qa/category-natural/subcategory-snow/faq255

「外気導入口から排ガス侵入」とか書いてるのよ。その前に後ろの通気口から入ってるんだよ!内部循環にしてても後ろの通気口にはシャッターが無いの!窓を開けても煙突状態になるから余計に車内に入っちゃうの!

JAF実験セダンには該当するがセダンよりワゴントールワゴンが売れてる現状では認識が不十分としか言えない。

 

最終的には低床車でも密閉型バンパーの裏に隠す今の方法を止めて、コストが少々かかっても安全なところに開口する方法にしないといけないだろう。

だが消費者運動が下火になり国交省EU規制に倣っているだけの現状だとそれも難しい。遺族が構造問題を訴えたりすれば流れは変わるかもしれないが。

マスコミの探求心の無さも困ったものである

 

尚、セダンなどでも車体下部に排ガスが溜まってしまえばシフトレバーの穴やら水抜き穴、前部の導入口から入ってくるのは同じなので時間の差こそあれ中毒死の危険は同じなので安心してはいけない。

  • すごい勉強になる増田らしくない増田。たまにこういうのが出てくるから増田は侮れない。そしてこういうのを華麗にスルーする場合もあるからブクマカはもっと侮れない。

  • 三重県の死因は一酸化炭素中毒だね。

    • 追記: ああ、タイトルでは一酸化炭素になってるけど、本文中はCO2で書いてるからおかしいんだ。 細かい話だけど、ちゃんと直したほうがいいよ。

  • おっちゃんは一酸化炭素中毒が怖いから免許取らない

  • マフラーに不備がないかなんて素人にはわからんし、エンジンかけたまま車中泊とかしたら、死ぬよって話か。 そのうちEVが普通になってくるとそういうことを気にする必要がなくなっ...

  • 何十年も車は運転してるけど全然知らんかった

  • なぜnoteに書いてくれないのだ…

  • もう全部EVになるからメーカーが対策することもないよな

  • これ、なんで排ガスが車内に入ってくるのか不思議だったんだよ。ありがとう > だが消費者運動が下火になり国交省もEU規制に倣っているだけの現状だとそれも難しい。 EUを刺激する...

    • もうEVに移行したいんだから、内燃機関禁止が早まるだけだろう。

  • 軽バンに乗ってるからこの記事見てよかった そう言えば自分でバックカメラ付けるのに後部バンパー外した時に給気口あったわ。 知ってるのに忘れて死ぬところだった。筆者に感謝だな...

  • わざと説明してないのか何なのか知らないけど、COが車内に入ってくる順序の一番目は「車体が雪で埋まること」だ。 COは重いから車体の下に溜まるとか言ってるけど、排ガスはめちゃめ...

    • 教習所かどこかで雪の時にはマフラーを出すようにしましょうとかそういうの聞いたような気がする ぼんやりとだけどおぼろげに思い出したわ

  • さっさと全面的にEVに移行しようぜ

  • リンク 【2021年度】  匿名ダイアリーTOP200 匿名ダイアリーTOP201-400 ランキング 順位 ブクマ タイトル 201 666 美味い素麺なんか食うんじゃなかった 202 665 お前は危険...

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