2020-03-07

ストラテラ結構効いた

20代後半にアスペの診断済みで、今は40過ぎのおっさん

正確には軽度のアスペADHDが混入しており、いわば心のなかで「自閉の弟を多動の兄が連れ回している」状態

これが物心ついた頃から自分日常だった。

診断受けたときにやった知能テストでは、アスペが強いとされる部分は天才的に凄いと言われた反面、弱い部分は境界知能クラスと言われた。

今までの人生を振り返ると、結局の所、自分の一番弱い部分が事あるごとに足を引っ張ってきたと言っていい。

から、「長所を伸ばすことが生存戦略として適っている」という、よくある言説は一切信用していない。

しろ弱い部分を底上げするほうが確実にQOLは上がるだろうと思っている。まあ言うは易く…ってやつなんだが。

あと、障害特性が「軽度」で「混ざっている」というコウモリ野郎なため、普通の人からのみならずガチアスペっぽい人からADHDっぽい人からも「変人キャラ」扱いされるのが地味に辛い。


さて、長い前置きはこれくらいにして、今まで使っていなかったストラテラを使うことになった。

薬については自分場合二次障害対処するリスパダールとかリボトリールとかは使ったことあるけど、障害根本部分にコミットする薬は使ってこなかった。

それがここに来て急に使うことにしたのは、仕事理由

今まで比較自分に向いていた部署にいたのが、配置転換により、全く向いていないどころか事故多発→クビ路線が確実視される現場に行くことになったから。

正社員につきものの話なのか、はたまた会社自分を追い出したいからなのかは知らないが。

それで、とにかくなりふりかまっていられない。薬でもなんでも、合法的に使えるものは何でも試してやれと決心。

とはいえアスペに効く薬はないから諦めるとして、せめてADHD特性だけでも軽減させないと…ということで主治医相談したところ

増田さんにどこまで効くかはわからないけど、最小量の25mgから試してみようか」

ということになった。

これが10日くらい前。


その効果だけど、「おお!こういう効き方するのか」と結構納得できる手応えだった。

初日から、仕掛中のタスクもさっくり切り上げて他のタスクに切り替われるようになり、更に集中と俯瞰の切り替えがベストタイミングで発動する感覚を味わった。

翌日には、相手の話を最後まで聞いて話すのがデフォルトになった。

翌々日には、話す前に一呼吸置いて話すようになった。

一週間後には、怒りも悲しみも不安も全て「冷静さを失わず」感じられるようになり、逆に今まで自分の心がいかにざわついていたかを実感した。


そしてここが重要なのだが、薬が効いているとき経験した言動は知らず知らずのうちに脳に記憶されるようで、効き目が切れ始めても、前述の記憶言動自然矯正されるのだ。

即ち一度薬を摂取したが最後、摂る前の自分には二度と戻れなくなると。

しかもたった25mgで、前頭葉しか作用しない、精神系のお薬としては「見劣りする切れ味」と言われているものでも、この効果である

この手の薬の恐ろしさを体感として理解できた。

こりゃ、麻薬覚醒剤を売るなんて人殺しと一緒だよなと、心の底から思わされた。


というわけで、本格的に新しい部署に赴任するのは来年度で、今は移行期間なのだが、今の所大事故は起きていない。

それでもつまらないミス必要以上にビビるケースは無くなっていないので、薬の増量を試すのもありかと思っている。

ただそれで治るのは多動のみであり、自身問題のもうひとつの根幹である、自閉の部分は未だ手つかずである

よって、話を端的にまとめるとか、相手に合わせて話す内容やアプローチを変えるとか、そういう他者への強い興味とそれに伴う情動がなければ身につかない部分は、多分今後も生きる上の厄介事でありつづけるだろう。

てかMDMAみたいな、情動喚起する系の薬が早く実用化されて欲しいんだよね。

オキシトシン効果ないって結論だったのは正直残念だった。

そんな感じ。

  • 元増田がストラテラを使うようになって、もうすぐ一ヶ月になろうとしている。 しかし使う前と比べて、不注意が改善したどころか、人格が変わってしまったと感じている。 確かに、...

    • すごくわかりやすい。 痛し痒しなんだなあ。

    • 以前は社会不適合だけどそれなりの深みはある人間、って自己像だったわけだ。 それが薬によってよくも悪くもふてぶてしいだけのしょーもない奴になりつつあると。 そのストーリー、...

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