2013-09-01

できない人を認める社会にならないと。

まともに英語もできないのに海外駐在になって一年日本人労働生産性が悪いということを実感。

[仕事ができる欧米人]

・とにかく仕事の回転が早い。決断も早いが、あきらめも早い。

アイディア勝負。実行は他人にやらせる。(実務作業負担を最小限とする)

・上記と絡んで、交渉上手。人を使うのがうまい。意外に人に使われるのもうまく、最小限のリソースで依頼をこなす(不必要なことはやらない)。

・専門知識は浅く広く。難しいことは専門家(他人)にやらせる。実は、意外に文章が書けなかったり、実務が苦手である場合も多い。

プライベートも充実している。少数のワーカーホリック休みしらずだが、他人は巻き込まない。

[仕事ができる日本人]

仕事の回転が速いのは同じ。決断・あきらめは他人に任せる。(責任を逃れるのがうまい

段取り勝負。事前調査、他人との事前合意大事。このような段取りいかにうまくこなすかが大事

・基本的に八方美人。人を同調させるのがうまい。他人から同調を求められた場合、簡単には認めず、仕事を増やさない。依頼を受けたらトコトンやる。言われてないことまでやる。

・ケースバイケースだが、専門知識も自らこなせるほうが「できるやつ」と見なされる。実務もそつなくこなせる。

プライベートも充実しているが、忙しいときは、徹夜だろうが休日返上だろうが、業務が終わるまで止めない。

[仕事ができない欧米人]

仕事の回転は遅いが、往々にして「自分自身が仕事ができない」ということをなんとなく認識している(昇格していかない事実を把握してるから)。判断しない(ボスや他人に言われるまで動かない)。

仕事ができる人の引き立て役になっている。無理しない。自己主張しない。ジョブディスクリプションの範疇しか仕事しない。

ボスとのコネクションのみ大事にする(捨てられたくないから)。横のつながりは薄い。

仕事を守るために、自身にしかできない領域を確保している場合が多い。意外に専門知識を持っているケースも多い。実は大した知識でない場合が多いですが。。これがないと、会社から捨てられちゃう

プライベートは充実している。よく休む。

[仕事ができない日本人]

仕事の回転は遅いのは認識しているが、「自分自身は頑張ってるんだ」という意識で、周りに迷惑かけているのを棚上げしている。判断せずに、自らの案件いつまでも決着しない。

同調主義社会の中で、なんでもかんでも請け負ってしまう。余計な仕事を増やして空回りする。

上司だけでなく、どんな人のいうことも聞いてしまう。断れない。メールの件数だけはやたらと多い。直接交渉を避けたいから。メールを打つとき、やたらとCcを入れる。自ら判断できないから。

・往々にして「仕事ができる日本人」に専門知識すら負けている。仕方がないから、データマニュアル管理など、パートさんでも出来そうなことに活路を見出そうとする。

・遅くまで仕事をする。夜間、土日に緊急性の低いメールを発信する。ただし、仕事が好きというわけではない。

[まとめ]

何が言いたいかというと、欧米は、仕事ができる人・仕事ができない人のどちらが欠けても業務が成り立ちません。仕事ができる人がマネージメントをやって、できない人が実務をこなすという棲み分けがはっきりしているから。要するに、仕事ができない人をうまく使っているのが欧米

日本場合は、ワーカーホリックが多いこともあって、仕事ができる人だけでも何とか回していける。雑務をこなす人は必要だろうけど、日本マネージャーは実務をこなすことも多いし。

ただ、欧米であれ、日本であれ、真に仕事ができる人は、一握りの才能ある人だけであって、99%は凡人。その辺をよくわきまえているのが、欧米社会のような気がします。

一方の日本は、「正社員」=「仕事ができる人」と見なして、仕事をさせなければならないような風潮があるような気がします。基本的には終身雇用だし、正社員は何とか役に立たせたいというのが日本スタイル仕事ができない正社員にも、将来的になマネージメント/あるいはクリエイティブ仕事をしてほしい。それが会社の願い。

こうなると、俗にいうブラック企業のように、「できない人」には、とことん残業させるなりして仕事をしてもらうしかないという考え方になる。「何とか、役に立ってくれ!」という会社の切なる思いが詰まってるのでしょうが、どう考えても効率という面では弊害になっている。

派遣パートの問題についても同じで、派遣パートという枠を作ることで、システム的に、実務を任せれるようにしているが、どう考えても、こんな不安定な立ち位置で、業務に専念できるわけないよね。効率が悪くなる一方。

から労働生産性が悪い。

このような日本環境の中で、僕らが気を付けなくてはいけないのは、「日本仕事ができない人」に陥らないようにすることだと思います

よく売れているビジネス本なんかを見ると、いかにして、日本の「できる人」になるかということが書いてありますが、そんなことが実現できるのはほんの一握りの人だけ。

自分の身の程をわきまえて、欧米の「できない人」たちのように、必死にならずに生きていくことも大事だと思います。それも幸せの一つの形だと思います

日本企業システムの中じゃ、なかなか逃れられない現実ではありますが。「できない人」を認める社会に、日本もなってほしい。

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