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2024-10-18

送りバント戦法はやはり有効である理由

前に書いたことの追記

https://anond.hatelabo.jp/20240928071446

先の投稿では、これまで言われてきた「送りバント得点確率は低い」というエビデンスは、送りバント戦法はそもそも安打が出にくい状況で採用される傾向がある、というだけの可能性を排除できていないこと、そして送りバント有効性・無効性をエビデンスで示すことは、投手力・打力や得点差などの条件を細かく丁寧に揃える必要があることなど、考えられているよりはるかに難しいことを論じた。

その上で、個人的には送りバント有効性の高い作戦であると考えている。その理由は以下の二つである

一つ目は大きな理由で、チームプレーへの意識を高めることである

送りバントは「犠打」と呼ばれるように、その作戦自体自己犠牲という意味が込められている。次の打者は、「アイツが犠牲になってくれてチャンスで打席に立っている」という感謝気持ちを持つようになる。もしヒットで打点が入れば、「アイツのおかげ」「ベンチの作戦のおかげ」ということになり、自己満足的なプレーよりもチームプレーを優先する気持ち自然と身につくようになる。たとえ目の前の得点確率が高いわけではなくても、安定的に勝てるチームをつくることになる。とくに高校野球指導者送りバント戦法を好む最大の理由は、おそらくこの教育的な効果であろうと思われる。

二つ目は小さな理由で、とにかく併殺のリスクを避けることである

無死一塁強硬策による併殺は、とくに接戦の場合には球場ファンからも「あー、送りバントしておけばよかったのに」というため息がもれて、相手チームに一気に流れを渡してしま可能性が大きくなる。僅差で勝っている終盤の場面での強硬策は特にリスクが高い。送りバントなら点が入らなくても、試合の流れを大きく変えてしまうことは基本的にない。送りバント積極的得点を取りにいくというよりも、最悪のリスク回避するための作戦として評価しなければならない。

最後に指摘しておきたいのは、現場野球指導者送りバント戦法を放棄していないということが送りバント有効性があることの、なによりの証明であることである一塁へのヘッドスライディングや追い込んだ後の「一球外し」など、かつてよく見られたが現在は廃れたプレーや戦法はたくさんある中で、送りバントは廃れる気配が一向にない。過去送りバントほとんどしなかったチームは、「山賊打線時代西武など、強力打線のチームに限られる。大雑把なエビデンス送りバントドヤ顔否定する前に、なぜ現場送りバント採用し続けているのかを真面目に考えてほしいと思う。

 
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