はてなキーワード: カルテクとは
姿見に姉の服を充ててちょっと背伸びをしてみたりと
美術の時間だけ仲が良かった将棋が好きという知人の部屋の様子だったり、
轟音をたてて通り過ぎる貨物列車で轢死体となった自分だったり、
進みたいときに、止まりたいときに、ちょっと弾みを付けるための材料。
大学生になって、受験に失敗したことから、虚栄心だったり、逃避心が強くなったように思う。
最初から最後までその学校の学生の振りをして、私は学生なんだってキャンパスにいる間、信じてた。
仮面浪人って実力行使の道もあったはずなのに、安易な道を探して。
兄から手に入れたカルテクのTシャツを部屋着にしてた。文系なのに。
そして、今、夢想癖がまた新たな段階に入った。
今の家に初めて他人を迎えて、ご飯を食べてお酒を飲んだ。
本棚に置いてあった漫画の作者の共通のファンであることが発覚したり、
語る言葉もなく、惑う視線を天窓に固定しようとした時、友人の掌がちょいちょいと動くのが見えた。
友人の指が向かう先で、開け放した窓から時折舞い込む夜の風にさっき読んでいた漫画のページが捲れようとしていた。
天使がめくったのかもね、とぽつりと漏らしたら、友人が盛大にビールを吹き出した。
昔読んだ本の慣用句で、こういう沈黙を天使が間を通り過ぎる、なんて聞いていたから
大真面目に使ってみただけなんだけどな。駅まで送った後も、もやもやが取れなかった。
なぜかあの時のことを思い出すようになった。
あの時にかける声を探すようになった。
天使がめくったのかもね、
どんな言葉をあの時選べばよかったの?
もう何度も何度もコンティニューを
繰り返してる。
ロードして選択して
ロードして選択して
ロードして選択して、いつまでも。
どうすれば、止まるのだろうか。
これを止めるための新しい夢は久しく来ていない。
焦燥感が胸を打つ。もう早く次の夢が来て欲しい。
あの時を超える時間が早く欲しい。
ひとりでに始まる寝物語が今は辛い。
多分今日も始まると思う。