2024-05-30

ずっと好きだった」を虫唾が走るキモい歌詞だと思っててたけど、

当方男。

ずっと好きだった」という平成流行った歌がある。かつてクラスのマドンナに憧れていた若者だった男が、歳を重ねた彼女に酒席で再開し、酔って絡みながらナンパするという歌詞だ。当時、結構流行って、ずっとラジオから流れていたので記憶している人も多いと思われる。

これが実に苦手だった。とかく苦手だった。

いやだってさ、「すきだったんだ『ぜ』」だよ。「すきだった」というかつての気持ち吐露でもなくて、現在進行系でまだ熱い気持ちを持っていますという「すきです」でもなくて、「だったんだぜ」だよ?! 女々しいにも程があるわ。あわよくばワンチャン狙ってまーす、って気持ち(=著しい性欲)がダダ漏れで、サブイボが、やばい

それで、むかし好きだったんだけど、べつに今はそうではないですよぉー的な匂わせをしておいて、その上でボソっと、それであの日、キミのがボクにしたキス意味ってなに? だよ!? だよ!? だよぉおおおお!?

いや、これはもうれつにキモいしか言えない。普通に好きだったんなら、正直に「好きです。あの日から忘れたことありません」って言えばいいし、久しぶりに会うことになって、たまたま当時を思い出したんなら、過日の美しい思い出にして黙って彼女の今を尊重すればいいし。

にもかかわらず、それであの日キスってなに?だよ!? どう考えても、当時のロマンチックだった(かもしんない)、彼女の若気のいたりのきもちをくすぐって、なんかいい感じにもっていきたいって下心全開じゃんけ。利己的な遺伝子思考ルーチンが支配されとる。

全編こんな感じで、もうねっとりとした固形じみたギトギトのポマード臭いすぎて、ぐぎゃぁみたいな気持ちで当時は過ごしていたんだけど、冷静に考えると、このニヒたキモさって、多分歌詞が徹底的に男目線で書かれているからなんだよね。一方的マドンナ扱いして、キレーだったよなぁ、今もかわいいぜみたいに、とにかくねっとりマドンナに迫ろうとする心情。それが肌を敏感チキンにさせる。

──────と、これまでは夏に冷房が死んだ時にもしかしたら涼を取るのに役立つかもしれない曲、というだけだったんだけど、実は今日コペルニクス的大回転があって、ついにこの曲の愉しみ方が分かったかもしれんと電撃が走ったのだ。

男がイライラする男って、実は女子ウケが良い=かわいいのでは!?

もしかして、この曲の女々しさにイライラするのではなくて……女々しさにクネクネする男を可愛がるのではないかと。


今までは、脳みそ下半身に半分以上めり込んでいるような態度に、同じ男である自分を重ねてあんぎゃぁーーーってなっていたけど、実は、そんな男を「ふふっ、男って本当にバカね」by 想像のマドンナとなって、アホでマヌケで五大欲求に素直な永遠チェリーボーイを愛でるのがこの歌詞ではないかと。滑稽なような、烏骨鶏なような、だんすぃーの愛らしさが表現されているのではないかと。

なるほどなあ〜〜〜。流行歌詞って奥深いもんだ。

  • そのときに解らなきゃ意味ないんだよなぁ 追体験や歴史学は蘊蓄という教養

  • なわけないだろ そういうのが好きな女は大体意味もわからず流行りだから乗ってるだけですよ 知性の問題

  • 1966年生まれで2010年っつーと43〜44歳くらいか。 あー、いかにも中年が書きそうな歌詞って感じだわ。

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