30才、女。
今まで3人と付き合って、そのうち2人とセックスをした。
そして今、しばらく付き合っている相手はいないけど、ちょっといい雰囲気の人がいる。
その人とは気が合うし、会話も楽しいし、おもしろいことばかり。
そして何より、装わなくていい。
死ぬほどくだらない自慢に「えぇ~すごぉ~い」と甲高い声を出したり、白目剥くほどしょうもない「俺ってこんなギャップあるんだぜ」トークに「えぇ~めっちゃかわいい~」と鏡の前で研究しまくった八の字眉毛を披露したり、意識が飛びそうなほどどうでもいい知識自慢に「えぇ~知らなかったぁ~」と無知を装いつつ「ググったら一番上に出てくるようなド定番ネタ出してくんじゃねえ」という本音を押し殺した反応をする必要がない。
いい感じになってる相手とは元々興味の分野が似ているのか、こっちがちょろっとマニアックなネタを振っても平気で会話のボールが返ってくる。
そして、わからなかったとしても「あ、ヘェ~?フゥン…?」みたいな、かわいくねえちいかわみたいなごまかしの反応をせず、「それ知らない、何それ?」とストレートに聞いてくるから、私もわからないことを隠さず聞ける。
今まで付き合ってきた相手みたいに、自分をよく見せたくて、嫌われたくなくて、自分の本心ではないことを言ったりやったりすることが全然ない。
30歳になってこんなことを言うと思わなかったが、ありのままの自分でいられるって最高。
ただ、このままの状態じゃちょっとまずいんじゃないかと思うことがある。
私は、何でかわからないが、「自分が恋人に甘えているとき」や「恋人と、致さないまでもいいムードになっているとき」に頭の中の自分(=目の前の恋人が好きで甘えたくて実行している自分)とは別に、完全に俯瞰から「オゥオゥオゥ、取り繕ってやがんなあ!バッカみてえだなあ!どうせフリのくせにな!」と冷や水をぶっかけてくる自意識がある。
本当に意味がわからないと思う。私もわからない。でもたしかにこれが起こっている。
ちょっと冷静になって状況を分析してみたことがあるが、「自分の素」の部分が少しでも出てから、そっちの「かわいい子モード」に移行すると冷や水ぶっかけ自意識が出てくる。
だから多分、多分だけど、
「恋人の前:せめてかわいくいよう、と多かれ少なかれ装う、盛る、(何かしらの)ふりをする」
が自分の中でデフォルトというか「やらないといけないこと」になっていて、そういう飾りを取っ払った自分に自信がないのかなと思う。飾らないと好きになってもらえないとでも思ってるのかもしれない。
で、だ。
エロ漫画でありがちな(ありがちかは知らないけど)、「気持ち良すぎておかしくなるゥゥゥ~~ンッッ!!」的な正気でいられなさじゃなくて、羞恥心の方向だ。
恥ずかしすぎて、どっかしら取り繕ってないと頭がおかしくなりそうになる(もちろんこれも性的におかしくなるんじゃなくて発狂という意味で)。
これまでにお付き合いをして、ベッドインに至った相手とは、とにかく終始取り繕ってたので羞恥心はどうにか抑え込めた。
ずっと頭の片隅で冷や水はぶちまけられていたけど。
じゃあ、今いい感じになっている人と、もしそういう雰囲気になったとしたら、私は一体どうなるんだろう。
素を少しでも見せた相手に対して、かわい子ぶったら自意識が冷やかしてくる。
自分の裸体をさらけ出して、他人とくんずほぐれつするなんて、恥ずかしすぎて素の自分でなんていられない。
取り繕わないで、装わないで接してきた相手と、取り繕って装わないとやってけないようなことをする。
あの人のことは好きだし、一緒にいたい。
私はセックスはしなくていい気もするけど、あの人がしたいと言うなら断りたくない。
けど、私の自意識というか、本能というか、何というか心の核のような部分は、形を保っていられるんだろうか。
しかしまあ、まだ付き合ってもないし、ベッドインになど至っていない。
すべて捕らぬ狸のなんとやらだ。
とりあえずセックスしてから考えようか まずはセックス!セックスから始まるんだよ!
アルコールは羞恥心を緩和させる、酒を飲め