「ねぇキョーコちゃん、これってもしかして、かなりヤバい状況になってるんじゃないかな?」
「そうだといいけど……」
「さぁどうぞ召し上がれ」
「いただきます……」
「ありがとうございます……」
ズズーッ
「おいしい……」
「うん……」
「そうでしょう?これはね、私の実家で作っている特製茶葉を使っているの。だから市販のものより香りが良いのよね」
「ところで、今日は何をする予定なんだ?」
俺は話を逸らすために質問をした。
「実はね、弱者男性を支配して見下すための方法を考えてみたの!名付けて『サンタ作戦』よ!」
「「は?」」
「ほら、物心ついてるのにサンタクロースを信じてるような頭の足りない子っていたじゃない?きっとああいう子が成長すると弱者男性になるはずなのよ。だからその前に、私達が優しく手を差し伸べてあげるわけ!どう?素晴らしい計画だと思わない?」
「えっと……はい……」
(こいつ頭大丈夫なのか?)
「ちょっと待って下さい。弱者男性は貧乏な家庭環境で育ったのでプレゼントなんて貰えないしサンタクロースなんてそもそも信じてませんよ?」
「ふっ……甘いわね。それくらい想定済みよ!今回のターゲットはプレゼントを貰えない、それでもなお現実が見えていない愚か者よ。まさに、真の弱者男性にふさわしき相手と言えるわ!」
「な……なるほど……」
いや絶対無理があるだろう……。こいつ傲慢さが滲み出てるもん。手を差し伸べたところで弱者男性側が受け入れてくれるとは思えないんだが……
「さぁ、早速始めましょう!まずは、弱者男性の社会的地位が低いというところから説明していくわね。弱者男性がどんなふうに見られているか知ってる?」
「いえ……」
「答えはこうよ。"社会不適合者""犯罪者予備軍""劣等種""社会のゴミ"こんな感じね」
「うわぁ……ひどすぎ……」
「確かに、酷いですね」
「そこで私は考えたの。弱者男性にもチャンスを与えてあげればいいんじゃないかなって!」
「チャンス?」
「ええそうよ!弱者男性には人権がないの。つまり適当な弱者男性を拉致して性転換させた後に他の弱者男性にあてがえれば、彼らの立場が変わる可能性があるってこと。例えば、障害者の男性とか、引きこもりの男性なんかがいいわね」
「なるほど……そういう考え方もあるのか……」
「まぁ、それはそれで問題があると思うんですけど……」
「あら、どうしてかしら?」
「だって、そういう人たちってかわいそうランキング上位の強者女性が好きそうなタイプじゃないですか。もし仮にそういう人達とくっついたとして、幸せになれると思います?」
「今ここに!増田部を発足します!!!」 「は?」 「え?なに?」 「どうしたの?急に」 この女、気でも狂ったのか? 「え、いや、だから増田部。私が部長で君たちが部員ね。うん決...
翌日。 いつものように登校すると、教室内が何やら騒ついていた。 「ねぇ、なんかあったのかな?」 「さぁ?でも何かおかしいよね。みんなそわそわしてるっていうかさ」 「あ、キョ...
放課後になったので、俺たちは早速校門へと向かった。そこにはすでに佐藤さんの姿が。 「佐藤さんこんにちわ〜」 「やぁ2人とも、わざわざ来てもらって悪いね」 「いえ、全然大丈夫...
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