一昨年の末、某WEBサービスの運営者として前任者逃亡状態で入社した
管理画面から設定を行い、サイト内の所定の場所に広告を表示させる
広告によって性別とか年齢で送信先を絞ったり、地域によって掲載内容を変えたりと細かい指定が入る
しかし前任者がマニュアルも残していかなかったので、この振り分けができなかった
管理画面のどこにもその項目がないのだ
おそらくサーバー上のどこかに設定ファイルか何かを置いていたんだと思うが、
上司に状況を説明したかったが、上司は「アウトルックって何?」というタイプの人間だった
というか社員全員そういうおじさんだった
わかる人間はすでに全員逃げていたのだ
社内全体で状況を共有して対処すべきだったが、説明が死ぬほど面倒だった
「引き継ぎ不足で、現状指定されたセグメントに配信するのが困難です。ですので当面の間、可能な範囲で広告主の要望に近い絞り込みを行って配信して、要望通りに配信していることにしませんか。苦肉の策ということで。もちろん平行して解析を進め、早急に従来どおりの配信を再開できるように努めます」
ということをもうちょっとそれっぽく言い、「じゃあ、それでいこう」と了承を得た
ちなみに「可能な範囲で」とは言ったが、可能なことはなにもないので俺はすべての広告を全会員にむけて投げ続けた
嘘は言ってないよな
全員に送ってるわけだからはじめの頃は反響も大きく、広告主からも高評価だった
まあ同じサービスから一日何通も広告メールが飛んできたらそうなるよな
メルマガ会員数も急激に減少の一途を辿ったが、俺はそれを誰にも報告しなかった
そして引き続き全ての広告を全員に投げ続けた
そのうち客からも効果が合わないと怒られるようになり、補填としてさらに配信回数を増やした。
これにより眠っていた潜在ユーザーも退会していき、ついに広告収入モデルは崩壊した
効果の薄い広告メールを大量に配信するだけのゾンビとなった某WEBサービスはそれから半年弱の間赤字を積み上げながら生存したが、ついに立ち行かなくなり倒産が決まった
とても感慨深かった
社長は俺に対して何度も何度も謝ってくれた
「安い給料で1人でずっと頑張ってくれたのに、持ちこたえられなくてごめんな」と
管理画面のどこにもその項目がないのだ おそらくサーバー上のどこかに設定ファイルか何かを置いていたんだと思うが、 俺の権限だと怪しいフォルダを開くことすらできない たぶん...
なるほど。じゃあほんの少しの知識があれば 元増田は配信セグメントを限定してメール配信できたんだね 確かに感慨深い
増田に聞いたら倒産しなかったと思うと感慨深い
みんな逃げる中ちゃんとトドメを刺していて偉い
その好評価を分析しろよ勿体ない
経営者でもないのに、潰せるもんか。えらそーに。
広告効果が合わないことに対する補填をしたのみで、 セグメンテーションしてますと騙って全体に配信してたこと自体には補填は発生してないのだね なんか下手したら詐欺とかになりそ...
ぽつぽつとした文体で面白いなあ。会社はしっかりと潰れたのだなという感じがする
なんの価値もない会社を潰したんだから顧客と会員の負担は減ったはずだ、胸を張れ。
おもろいやんけ👶