2021-10-03

sasakure. UKの「レプリカ」における歌詞フラクタル構造

定型詩のような歌詞メロディ構造があるから、心地よく聞こえるのだろうという考察

恐らく、車輪の再発明になるだろうけど、調べるのが面倒だったので、論を構築しておく

sasakure. UKレプリカ」を引用元とする

まず、歌詞の一番は、AメロBメロ、サビの三節構成となる

Aメロ(第一節)は、同じリズムの2小節構成される

小節は、①と②で韻を踏んだ上で、③でオチをつけるような構造になっている

Aメロと同様の構造Aメロ’で再現(構造を同じにする=マクロ的に韻を踏む)してBメロにつなげる事で、①と②で韻を踏んで③にしたのと同じ構造にしている

第一節(Aメロ:二小節構成)

第一小節(Aメロ:①~③の3文構成⇒①と②を③で纏める)

①ミセモノの君が 見せる 愛を

②ニセモノの僕が 似せる “I”と

真実がホンモノじゃない世界 「全く 似ていないでしょう?」

第二小節(Aメロ‘:①~③の3文構成⇒①と②を③で纏める)

バケモノの指が 示す愛の

②ハリボテの身体 照らすアイノウ

③綺麗な歌を歌いましょう いびつな手が空を向く



Bメロ(第二節)も、Aメロと同様に2小節構成であり、やはり各小節内は①と②を足して③でオチをつける構造になっている

また、前述のとおりAメロAメロ’を受けてBメロオチをつけるフラクタル構造になっている

韻を踏むのは第二小節のみであるが、

第一小節も「遠い街の鉄塔の」「足元に揺れる花が」という名詞節と、「煙と共にちぎれたのは きっと少し先の話 」と動詞節?で分割されているのがお洒落な感じを受ける

第二節(Bメロ:サビ前=AメロAメロ‘をBメロ纏める:二小節構成)

第一小節(①~③の3文構成⇒①と②を③で纏める)

①遠い街の鉄塔

②足元に揺れる花が

③煙と共にちぎれたのは きっと少し先の話

第二小節(①~③の3文構成⇒①と②を③で纏める)

①イツワリだと叫ぶもの

②イツワリに気づかぬこども

③それをかき乱すケモノ


サビ(第三節)も2小節構成であり、各小節は①と②で韻を踏みながら③でオチをつける構造は変わらない

また、AメロBメロでの抑圧をサビで開放する役割があり、A+B⇒サビという構造になっている

第三節(サビ:二小節構成)

第一小節(①~③の3文構成⇒①と②を③で纏める)

①詠え la-li-la-la-la-lu-la-la

②讃え la-li-la-la-la-lu-la-la

この声ですら“ニセモノ”だって言うんだろ?

第二小節(①~③の3文構成⇒①と②を③で纏める)

①嗤え、睨みつけても

②嗤えないよ だから

③僕の心臓も ニセモノだったらよかった、 のに。



二番(2章)も一番と全く同じ構造であるが、サビに入る前に間奏が入ることで聞いている側が飽きないようになっているところが音楽的に楽しい

第2章(2番:三節構成第一節と第二節を第三節で纏める)

第一節(イントロ~メロ:二小節構成)

第一小節(Aメロ:①~③の3文構成⇒①と②を③で纏める)

①欺くために生まれたなら

②僕も欺いてくれよ

③理を重ねたモンスター どこまでが本心だろうか?

第二小節(Aメロ‘:①~③の3文構成⇒①と②を③で纏める)

ソノママで良かったのでしょう

ソノママを拒んだのでしょう

③綺麗な歌を歌いましょう いびつな手が牙を剥く

第二節(Bメロ:サビ前=AメロAメロ‘をBメロ纏める:二小節構成)

第一小節(①~③の3文構成⇒①と②を③で纏める)

宝石で着飾るほど

②顕になったバケモノ

③─今日もきっと素敵な日だよ どこまでが本心だろうか?

第二小節(①~③の3文構成⇒①と②を③で纏める)

①痛くないよ、とうたえど

②君になりたい、とうたえど

③その感情 似ていない 似ていない すべてがニセモノ

第三節(サビ:二小節構成)

第一小節(①~③の3文構成⇒①と②を③で纏める)

①詠え la-li-la-la-la-lu-la-la

②讃え la-li-la-la-la-lu-la-la

③都合の悪い感情(≒機能)なんて 欠陥でしかないんだろ?




3番(ラスサビ、三章)は、サビのみではあり文章数は少ないものの、構造自体は一番・二番との類似性が高い

第一節・第二節はこれまでのサビと同じ構造だが、一番盛り上がる第三節は①+②⇒③の構造ではあるが、全体を統括するようなメロディになっている

また、マクロ的に言えば、一番と二番で同じ構造が来たところを、三番のラスサビでオチをつけるという構造であり、これもフラクタルである

第3章(3番=ラスサビ)

第一節(①~③の3文構成⇒①と②を③で纏める)

①詠え la-li-la-la-la-lu-la-la

②讃え la-li-la-la-la-lu-la-la

この声ですら“ニセモノ”だって言うんだろ?

第二節(①~③の3文構成⇒①と②を③で纏める)

①綺麗で醜い愛を

②終わらせてよ、さら

③花の種をさがす手が、君の雨を拭うとき

第三節(①~③の3文構成⇒①と②を③で纏める)

①─今日はきっと素敵な日だ。

抗う身体を噛みちぎって嗤う

③ああ、全く、悲しいくらい 『貴方は僕に、』 そっくりだったよ。



全体的に同じリズム構造が続いており、統一感があるために聞いていて「整っている」と感じる展開になっているのだと思われる

こうした定型詩のような構造が聞きやすさ・心地よさを生じさせるのだと考えられた

以上、

私の増田投稿は、本来オモチャに過ぎないが、君たちのオモチャではないよ。あつちへ行つてくれ。私は、もう、ねむい。

追記

一番~三番の最後の文を見ると「○○、のに(後悔)」「××たんだ(過去現在確認と諦め)」「△△だったよ(過去からの決別)」といったニュアンスが香るようになっており

後半になるにつれて物語=心境が変化していくことが察せられるようになっている

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