増田でほぼ誰も読まないホロコーストネタを時々投稿してる私であるが、「サラダ油は燃えないネタ」がバスっていると、どーーーしても気になって仕方がなかった。というのはこんな話があるからである。
死体を焼却するための火葬場は溝の中に置かれ、その底には溝の長さに沿って水路が掘られていて、(液化脂肪の)通り道になっていました。この水路からは、2×2メートル、深さ4メートルの竪穴へと分岐していました。炉の上で死体を焼却している間に、脂肪がこの穴に流れ込んでいました。この脂肪を使って、よりよく燃えるように、焼却炉の上の死体に液化脂肪をかけたのです。
これは、アウシュヴィッツ・ビルケナウ収容所の火葬場で、ガス室で殺されたユダヤ人の遺体焼却作業を担当していたユダヤ人ゾンダーコマンドの、ヘンリク・タウバーという人が証言したものである。なおここで火葬場と言っているのは、有名なクレマトリウムという建物の中にある火葬場ではなく、野外に掘ったピットの中に作った簡易の遺体焼却場所のことである。こうした人間の液化脂肪を利用して遺体を焼却していた証言は他にもいくつもある。
ホロコースト否認論者は、ホロコーストの定説を認めてしまうことになる証言者は嘘つきにしなくてはならない義務があるようで、この証言を「そんなことは不可能である」として例えば以下のように否定する。
確かに火で焼かれた肉からは脂肪が出てくる。しかし、脂肪は非常に燃焼を起こしやすいので、脂肪を集めることはできない。また、脂肪は沸騰せず、一定の温度(184℃)を超えると分解して燃えてしまうのである。
同様の否認論理が何人もの否認論者によって語られている。要するに、遺体にある脂肪は野外焼却をしているピットの底に垂れて流れていったりはせず、野外焼却をしているのだからそのまま液体脂肪はその焼却の炎で燃えてしまう筈だ(からそれら証言はあり得ないことを語っており嘘である)と言って否定しているのである。別に、収容所で遺体を焼却処理していたこと自体は誰も否定していないし、ガス室も関係しない話なので、無理に否定する必要はないと思うのだが、証言は嘘ではないと思う私でも、そんなことが出来るんだとトリビア的にちょっと驚く感じの話ではある。
この話が興味深いのは、焼却中の遺体の脂肪が液化して燃えずに垂れてその液体状の脂肪をどこかに一旦溜めておき、それをガソリン燃料のようにして遺体の上からかけると今度は燃えるという点にある。燃えないのに燃える、というのをホロコースト否認者が大好きな「科学的」に説明するのはなかなか難しい。動物性脂肪の引火点は200℃前後であり、発火点が280℃くらいらしいが、そんなデータを知っていてもうまく説明することは私には出来ない。ちなみに話題のサラダ油の場合は引火点も発火点も動物性脂肪よりも100℃くらい高い。
今回の事件で、サラダ油が燃えない話を知った否認論者は今度は逆に「液化脂肪は燃えないのだから嘘である」と逆の論理を使い始める気がするけど、上の引用で示した野外火葬における液化脂肪の利用をうまく説明できる人はいるだろうか? 現象としては網焼きグリルの上での焼き肉を思い浮かべれば、肉から液化した脂肪が下に垂れるのも、その液化脂肪に火が着いて燃えるのもよく見るわけだから、現象自体に不思議はないとは思いますが、科学的にそれを説明しろったって難しくて出来そうにありません。
生活能力の話だぞ 配慮が必要とされる側の人間である自覚はあっていい
うまく説明といわれましても。発火点ってそれ純粋な話だからさ。 ナチスがやったアレは人間とか石炭という火元があるからね。 ろうそく考えてね。芯がないと点火できないでしょ? ...