コロナウイルスが流行してから1年以上経ったわけだが、いまだに「満員電車でクラスターは発生していない」というような主張を目にする。
満員電車でクラスターが発生してないから、百貨店の休業要請やイベントの無観客要請は無意味だ、とか。
去年からずっと疑問だったが、誰も、どのメディアもそこを論じていない。
みんな電車の中は喋らないからとか、実は空気の入れ替えが頻繁に起こってるとか、そんなことばかりだ。
例えば、東京郊外に住み、週5日電車で都心のオフィスへ通勤する人がある日、コロナに感染したとしよう。
そこでその人は、
1. 何時何分の電車に
3. 車両のどこらへんに立ち(または座り)
という質問に、出勤した10日間の行き帰り計20回分を正確に答えられるだろうか?
機械のように毎日全く同じ電車、車両、ドアで乗り降りしている人なら簡単だろうが、実際にはおそらく1番目の質問すら怪しい人が多いと思う。少なくとも自分は答えられない。
特に小さい子どもを保育園や幼稚園に送らなきゃいけない親御さんなんかは厳しいんじゃないかと思う。
自分は独身なので自分の幼い頃の親のことを思い出すと、毎日決まった電車に乗るとかよりもまず、子どもに朝ごはんを食べさせ、歯磨きをしっかりさせて、服を着替えさせて、必ずトイレに行かせて、遅刻しないように保育園や幼稚園に連れていく、ということに全力だったように思う。当然、機械のように毎日同じ電車に乗ることはできず、いつだってギリギリの朝なのだ。
そんな日常の中で2週間分の電車の時間や車両の位置など覚えられるはずがない。
また、今は少ないかもしれないが、時間割によって毎日通学時間が異なる大学生にも、難しい人がいるんじゃないかと思う。
結局のところ、人間の記憶ベースで感染経路の調査なんて限界が見えている。
COCOAをほとんどの人がインストールし、なおかつ外出する時は必ず有効化しているのであれば、この問題は解消できただろうが、リリース後の運用がまずくて陽性者登録が進まなかったり、不具合放置で機能していなかったりでグダグダすぎてそれも望めない。
SuicaやPASMOの入場・出場記録では、改札を通った時刻は分かっても上記の1番目の質問にすら答えられない。
だからこそ、国や自治体は、この異常事態の中でも満員電車に対しては見て見ぬ振りをする。 自分は恐ろしくて乗れない。
そもそも電車やバスなんて不特定多数の人が利用するんだから換気してようがしてまいが、コロナ禍前からリスクはある。今に始まった話ではない。電車やバスを利用して帰宅した、出...