近年、地球温暖化を食い止めようと世界中で皆が躍起になっている。大気への二酸化炭素の放出を最小限にすることが、その運動のメインテーマの様だ。
ところで温暖化温暖化ってよく言われるけど、何がそんなに問題なんだろうか?
よく聞くのは、海面上昇によって沿岸部が水没する、気候の変動で農作物等がうまく育たなくなる、スーパー台風等の未曾有の大災害が頻発する…等々だ。生態系への影響を懸念する声も多い。
確かに、土地が水没すれば多くの人間が住み処を追われるだろうし、気候が大きく変われば世界の食糧計画に狂いが生じ、下手をすれば大飢饉ってこともあるんだろう。
ここ数年の日本でも大きな台風や豪雨による自然災害の記憶も新しい。
それでも僕は『温暖化対策』なるものにどうにも欺瞞めいたものを感じずには居られないのだ。あんなもの既得権益者の悪あがきでしょ、と。
地球を守るためじゃなくて、わが身を守りたいだけでしょ。
いや、頭では解っているんだよ? 今の環境が激変すれば多くの人が困るだろうってことはさ。
でも古今東西もっとダイレクトに人間の都合で住み慣れた土地を追われた例なんて枚挙に暇がないわけだし…。都市開発での地上げ、ダム湖に沈んだ村、原発事故なんてのもあったな。
僕の住む地域では雪が降る。万年日陰で冬場はガリガリに凍りつくあの道も、温暖化が進めば多少は歩きやすくなるはずさ。
今現在実り豊かな土地が砂漠に変わることがあっても、逆も然り。不毛の地が豊穣の地に変わることだってあるはずだ。
はっきり言って僕は地球温暖化を推進したいと思ってる。
アイドリングストップなぞ何処吹く風。出発前には5分の暖気運転を欠かさない。
オール電化なんて知りません。ガスや灯油を使う器具の割合を増やそう。
ただ、僕が温暖化を推進したいのは、「雪かきメンドイ」とか、「今度は下流の奴らが沈む番だぜ! ヒャッハー!!」とかいうミニマルな事情(だけ)ではないと思う。
多分、温暖化によって世界は変わる。多かれ少なかれ、間違いなく変わる。
既存の秩序が崩壊し、新しい秩序が興るかも知れない。死人も沢山出るかも知れない。それを経て人類は何か変わるだろうか?
とにかくね、人類史始まって以来の世界の大変革が訪れるかも知れないのに、それに水を差すなんてあり得ないんですよ。
こんなビッグイベント先祖代々子々孫々の代まで通しても1度あるかもわからないのに。
戦争なんて目じゃないんですよ。
世界が変わる瞬間を目の当たりにするチャンスをどうして棒に振れようか。