日曜日、そういえば二週間ほど自慰行為をしていないことに気づき、ソープランドに行くのも悪くないと思い立った。別に多忙であったわけではないが、ときおり無気力なまま時間を過ごし、気づいたら長らく抜いていないことがある。
だが、日曜日はもともとジョギングに充てるつもりだった。ここでさぼるとしばらく走れなくなる。ついでに土曜日に大量に飲み食いした分も消費してしまいたい。
そういうわけで、近所を走り回ってからまだムラムラしていたらソープに行くことにしようと決断した。走っている間はずっとソープランドのことを考えていた。基本的に走っている間は退屈なので、何か考えるべきことがあるのはありがたい。以前は音楽を聴いていたのだが飽きてしまった。最近の曲を別に知りたいわけでもないし、聞き放題サービスにも関心はない。それに、たまたま聞いた曲が気に入ったものであったときに、立ち止まって調べなければならないかと考えると、それもまた億劫だ。たぶん簡単に調べる手段はあるのだろうが、積極的にサービスに加入したいわけではない。
1時間半ほど走ってからシャワーを浴びても、まだいくばくかムラムラしていた。どうしたものかと寝床でごろごろしていると、右手の薬指に痛みがあった。不審に思い見てみれば爪が割れている。どこで割れたのかまったく見当もつかない。これでは到底風俗に行くわけにはいかない。嬢に割れた爪で痛い目をさせるわけにはいかないし、傷跡から何に感染するかもわかったものではない。しょうがないのでその晩はソープランドの動画で抜いて寝た。
わからないのは、二週間の禁欲直後よりも、一発だけ抜いた翌日のほうがムラムラすることだ。二発三発抜いた直後のほうが、禁欲中よりも性欲が旺盛になる現象と関係しているのかもしれない。陰茎が触れられる喜びを覚えているからかもしれず、一発の射精がある種の呼び水になっているからかもしれない。
ところで、今朝体重を測ってみたが、土曜日のシュラスコはそこまで後を引いていなかった。むしろ減ってさえいた。肉ばかり食べて、パンや米を食べなかったからだろうか。炭水化物ダイエットを信奉しているわけではないが、昼が多めのうどんだったので、平均すれば炭水化物は摂取している。
土曜日に友人とシュラスコを食べた後は、閉店時刻まで煙草臭い喫茶店でだらだらと過ごしたのだが、雑談で気分が晴れた。最初は友人との会食後、別れてこっそりと風俗に行くつもりだったのだが、取りやめて正解だった。ところで、自分は煙草はまったく吸わないのだが、ここ数年ニコチン臭い店の居心地がいいと感じてしまうのはどうしてか。昔はそういう場末じみた雰囲気を毛嫌いしていたものだが。別におしゃれな店が嫌いになったわけではないし、理由ははっきりしない。ただ、なんであれ、居心地がいいと感じる場所は多いに越したことはない。