私の親は少なくとも世間で言われているような毒親、ではなかったように思う
かと言って不満はたくさんあるし家庭環境としては悪いほうではあったはずである
長子でさえ義務教育を受けていた頃にどこにいくとも言わずお金だけ置いて突然母がいなくなったとき、父も含めた家族のご飯は子どもの役目だった
当時の家は地獄だったから母の気持ちは痛いくらいに感じていた 正直なところ、倫理的にはアウトだが駆け落ちであってくれたほうが当時の自分にとってはマシだったかもしれない
父はひとつひとつのエピソードは大きくないのかもしれないが、幼い頃悪いことをすると閉じ込めや締め出しの形で怒る人だった
高校生になったとき一度今思っても私自身は絶対に悪くないことで殴られた
それ以来父に対する僅かにあった父親としての信頼というものはなくなったのかもしれない
ただ両親の悪いところをきいてほしいというわけではない
二人ともいわゆる虐待のようなことは恐らくたぶんしてきていないはずだし(上のことがそうかもしれないけれどそういうことが言いたいわけじゃない)教育にはとにかくお金をかけてくれる親だった
それも「いい大学に入りなさい」ではなく、「あなたが生きたい人生にとっていちばんいい道を考えなさい」という立場だった
そのおかげで今があると思ってるしその点は本当に心の底から感謝している
ただ、ただ、本当に
今は地元を出て一人暮らしをしているので、自分の家族とは物理的に距離が出来た
離れてみると特に母の真面目で思慮深いのに奔放で思い切りの良い性格は人として面白く結構好きだと思え、人生の先輩系飲み友達のような関係にさえなれた
父に対しても、深い話は出来ないが以前のような気持ちを抱くことはなくなった
ここでもやっぱり「別にそんなにひどい家族じゃなかったじゃん」などと思う
ただ考えてしまうのだ
中学生や高校生の子どもを見ると「いいなあ」と思ってしまうことばかりだった
それなりな金額のする店だったので子どもの頃から高いご飯が食べられて羨ましいと思っているのだと思っていたが、たぶんちょっと違った
もちろんそれもあるが家族で予定を立てて美味しいご飯を食べることが自然に起こることが羨ましかった
自分のお金でその店にいくことはこれからの人生別にいくらでも可能だし
彼氏や、極端な話奢ってくれるおじさん(笑)を捕まえたっていいんだろうけど
羨ましい
こんなことを大人になってまで考える自分も嫌いだし、それと同時に大人ぶって諦めているような態度をとろうとする自分も嫌いだ