君の名ははテクニック的には最高峰でも気持ち悪いという人がいるのもわかる。
ストーリーもうまく飲み込みやすくしてあるが底の方にある胡散臭さ、信用できなさを嗅ぎ取るやつは嗅ぎ取る。
自分があれを信用に値しないと思うのは口がみ酒だの胸を揉むだのの性フェチ要素のせいではない
彼は延々と「乳繰り合いたい女と思い合いながらもごくわずかしか接点が持てない」という関係を描いてきて最後は分かれるという話が多い。
それを美化した風景の中で美しく見えるように描く。
異性が同じ場で長くガッツリ向き合い関わり合えば避けられない、
そこには、美しい絵の香りで隠している「自分が幻滅するのも傷つくもの泥まみれになるのも耐えられない
自分が傷つくのが嫌という脆弱さ、自己愛と自己中心性」が臭う。
言の葉で傷ついている女教師を修羅場で男が上メセでなぜか責めてきたのも意味不明だった。流されてたいていは気持ちよくスルーできるんだろうけどな。
エヴァシンジが自分の脆弱さを問題だと思ってなんとかしなきゃと悶々としてるのに対して
こっちの監督は自覚があるのかないのか、「繊細なボクの見る夢って美しいでしょう」と
ともすれば相手を傷つける狂気になる脆弱さが問題だとも思わずひたすら現実から逃げた美しさに浸っている。
彼の作品を胡散臭いと思っているが言い出しにくい人にとってそれは、
たとえれば、泥臭い出産劇の間はすっとその場から逃げてきれいな景色でも一人眺めて浸っていて
父親ヅラでしらっとまぎれて写真を撮って感動的なコメントとともにインスタにあげて
いい父親と世間には評価されてしまい本人もそう思い込んでいる夫のような。
子供は苦しめるのにたまにロマンを求めて気まぐれに帰ってくる夫のような。
それでいて周り受けはよくて妻子は苦しみを飲み込みがちというような。
そういうのがうっかりいいと思ってしまう女もいる。
そんなネオテニー男の欲望を充足するラノベもアニメもいくらでもあるが
それをあそこまで美しいものと堂々と美化できるナルシシズムはさすがに変態じゃないとアニメ監督はつとまらんなと感嘆さえするし
それがど真ん中まっとうな青春ものとして通る日本は、まだまだこれから少子で苦しむね。
これはガチ。
なんかたつき叩き思い出した