マクドナルドやモス、ロッテリアみたいなチェーン店のうっすいバーガーじゃなくてさ。
上司が「俺の友達がやってるからいこうや」といって外回りの昼休憩に連れて行ってくれたのが、個人でやってるバーガーショップだった。
生まれてからハンバーガーなんてマクドナルドやモス、ロッテリア、バーガーキング、それにコンビニに売ってるようなのしか食べたこと無い俺(デブ)は「ありえないwボンバーガーなんかで我を満たせるわけがありませんなw(いいですね、個人のハンバーガーショップなんて初めてですよ)」と言いながら上司についていく。
「いらっしゃいませ!」
30半ばぐらいのグラサンをかけた筋肉ムキムキのマッチョマンが威勢よく出迎えてくれた後、「タケちゃん(上司の竹原氏の事)いらっしゃい!なに?仕事?」と言った。
「おう、俺はアボカドエッグにオニオンリングと烏龍茶のセットな」と言った後、こっちを向き「おまえは?好きなんでいいぞ」と言う。
自分はメニューをひと眺めした後「え、あ、こ、この、あの、エッグチーズバーガーと…あ、あの、コーラ…」と言うと竹原さんは「ポテトもいるだろ」と言い店長に「エッグチーズバーガーとコーラとポテトな」と注文する。
9月半ば、よく晴れていたので、テラス席の影になってる所にカバンを置いて席につく。まだまだ暑い時期だ。
午後からの周り先の確認をしているとハンバーガープレートを両手にもった山が迫ってきて、プレートを席に置いた。
プレートの中のハンバーガーはハンバーグが重厚で、チーズがとろりとなって、日差しを浴びて輝いていた。そして、その横には山盛りのポテト。マクドナルドのポテトLどころじゃない量のポテトの油が日差しをあびてギラギラしている。
見るからに身体に悪そうながらも魅惑的な宝石がプレートに置かれていた。
驚いている自分をみて山、もとい店長は「サービス」といって笑っていた。
竹原さんはなれた手付きでナイフをハンバーガーに入れて食べやすい大きさにして食べている。
それを見よう見まねでナイフを入れるのだが串が刺さったところから切り離されたハンバーガーは見事に崩れてしまう。
それを見た竹原さんは「フォークで全部さすぐらいのつもりで力をギュッといれ潰すんだよ」と言うので、こんどはフォークで押しつぶして、押しつぶされていない部分の境界線を見定めてナイフを入れると、ハンバーガーから肉汁が溢れなんとも言えない匂いが鼻に届く。
一心不乱に頬張ると、肉々しい味とたまごにかかったソースが合わさりくどいぐらいの旨味が押し寄せてくる。
無我夢中で咀嚼をし飲み込むとコーラが欲しくなり、一気に飲む。たまらない刺激が口を刺激し、口の中に残っていたくどさが名残を残して消えていく。
気がつけばハンバーガー一個を食べて満足感に満ちあふれている自分がいた。
最初の4~5本は美味しかったが減らないポテト(カリカリ)のやま。
デブだから山盛りにしてオーケーと信じてくれた店長の粋なサービスであるが、それを裏切るわけにはいかない。
一心不乱にポテトを食べる。「ポテトもいるだろ」と勝手にポテトを注文した竹原を恨みながら。
食べに食べ、満腹も満腹、腹12分目ぐらいまで入って苦しいお腹をさすりながら店を後にするのだった。
―――――
さっき、竹原のヤローの目を盗んで、久しぶりに地元に帰ってくる友人とどこに食べに行こうと食べログを探していると、例のハンバーガーショップが出てきた。
LINEを起動して、
「なぁ、ハンバーガー食いに行こうぜ?」
と打ち込むのだった。
どこのお店?おしえて
セットで980円ならまあ・・・って感じだけど、多分1500円くらいすんだろ? それならマックで100円バーガー適当にくったほうがいいわ んでクーポンのポテトと水な
アメリカ人好みの浅ましい食い物だ