成人式の時や大学の卒業式の時に自立を意識した。しかし意識するだけの甘ちゃんだった。
なぜ今感じたのか、それは祖父母の介護で疲れている両親の姿を見たからだ。
人が自立するための一番のカンフル剤は、今まで自分を守っていた存在が衰えるのを見ることかもしれない。
高校や大学、サッカークラブなど私が不自由なくキャリアを選べるように金銭面で準備してくれていた両親。
高校も大学も私立。予備校にも通った。公立高校からストレートに国立大学に行った人より1.5〜2倍程度学費がかかってるのではないか。
冷凍食品の時もあったが家に帰れば必ず晩御飯を出してくれた母。
休日にサッカーの試合のためにほぼ毎週車で送迎し、応援してくれた父。
親は強くていつも子供を助けてくれると思っていた。
親は強いなんて呑気すぎる。びっくりするぐらいの親不孝者だ。
そんな親不孝者が先日帰省をした。両親の白髪がとても増えていた。
衝撃だった。
学生時代から一人暮らしをしている友人たちは既にこんな気持ちがすさむ体験を何度もしているのだろうか。
結婚記念日にに贈ったFire TV Stickも忙しくて使う暇がないらしい。
帰省した時はとにかく会話を盛り上げた。会社なら滑るようなネタも価値観が同じ家族なら盛り上がる。私が話して両親が笑顔になるのならいくらでも話した。今まで隠していた彼女の話した。遠回しに自分が今の生活に不満がない事をアピールした。これ以上両親の悩みを増やしたくなかった。
休日2日間を祖父母の介護センターで費やした母は私の食生活を気にしていた。
先程まで自分の両親の介護をして今度は子どもの心配をしている。少しは自分の体の心配をしてほしい。
おそらく今でも私が助けを求めたら両親は全力でサポートしてくれるだろう。毎日ご飯を出してくれたように。毎週サッカーの応援をしてくれたように。
でもそんな甘ったれた事は言ってられない。
自分で生きなければ。
両親を安心させなければ。
思うままに描き殴ったら900字になってしまった。
この書きなぐった思いもいつか薄れてしまう人間の記憶の構造が恨めしい。
少しでもこの思いを持ち続けるためにここに記す。