10年程夢女の私が2018年にある男を好きになり、穏やかな夢女生活が一変、哀れな夢女となった。
これまでの夢女人生を振り返ると推しに対して純粋に恋愛感情を抱き、好きだな、傍にいたいな、などの真っ直ぐな恋心だった。
同担拒否もなく、Twitter上で知り合った同担の夢女と推しの魅力についてよく語り合った。むしろ同担が好きな夢女だった。
しかし、2018年に出会った彼に関しては穏やかな夢女ライフを送ることが出来なかった。
彼はめちゃくちゃ人気で夢ジャンルがとても盛んだった。
Twitter上ではもちろん、pixivにも夢作品が溢れ、彼の女は爆発的に増えた。
夢作品を描く絵師たちもたくさん現れ、私は喜んでフォローして作品を見て満たされた。
供給がとにかく多く、何か考える暇もなく与えられる夢作品を夢中で読んで日々満たされていた。
しかし、彼の人気も緩やかに落ち着いていき、絵師たちも時と共に別ジャンルへと移動していった。
一方で、時間が経っても彼を好きで夢作品を描き続けてくれる有難く、本当に彼を好きな絵師たちも居る。
(この絵師をAとする)
Aは作品の更新速度が速く、たくさん作品をあげるので頻繁にAの垢を見に行っていた。
そんなある日、Aのツイートを見ているとフォロワーと会って遊んだという旨の呟きと、その様子の写真があった。
写真には彼のぬいに猫用の被り物(ガチャガチャでよくあるやつ)を被せたものが写っていた。それと一緒にAの姿が写っていた。
それを見た時少しばかり驚いた。
Aが私と全く同じことをしていたからだ。
彼のぬいの種類も一緒、被り物の種類も一緒(色も動物の種類も全く同じだった)、更には普段の私の服装と似ており、髪型まで似ていた。
フォロワーと遊んだ内容も私がやりそうなことや私が既にやった夢女の遊びで、Aのツイートをみた友人から、「実はAって○○(私)?」と聞かれる程だった。
この時はまだ「私と同じようなヤバい思考の人間が他にいて、まさかそれがAさんだったなんて…(笑)」くらいの気持ちだった。
Aの言動、服の趣味やネイル、髪型まで自分と似ていて、そんなAが「△△(彼)好き」「△△に会えないの寂しい…」などと呟くのを見て、嫌な感じがした。何が嫌なのか分からなかったけど、何か嫌でモヤモヤした気持ちだった。
これまで同担の推し好きツイを見てもこんな気持ちになったことはないし、他の彼の女の好きツイを見ても特に何も感じない。
ということは、A特定で彼の好きツイが嫌ということになる。
何故Aだけ特定で嫌なのか考えたとき「同族嫌悪」という言葉が浮かんだ。
「そうか、私は同担拒否なんじゃなくて自分と似た人間が彼を好きなのが嫌なんだ」と気づいた。すなわち、同族の同担拒否だったのだ。
これに気づいた日からAの言動が今まで以上に気になって癇に障り、勝手にAをライバル視した。私の中で勝手にマウントをとって「Aは彼にハニトラされてるだけ」「彼は私の所に帰ってきてるから、そりゃAは彼に会えなくて寂しいよね〜」と小馬鹿にして1人で争っている。
実に哀れである。まさか自分がこんなに嫌な女だとは思わなかった。
しかし、私が彼を好きでいる限り、Aが彼を好きでいる限り、私の中の醜い同族嫌悪は終わらない。最近では早くAが彼に飽きて別ジャンルに行きますようにと願うばかりだ。でも、Aの描く絵は好きなため1ファンとしては絵はまだ見たいという何とも複雑な心境でもある。
最早自分でもAを見たいのか見たくないのか分からないし、勝手にマウント取って、勝手に私の方が彼に相応しいと争っているのをやめたい。しかしやめられない。
純粋にただ彼を好きで居たいのに、他人を気にして競い、あまつさえ他人を見下して自尊心保とうとしている。
こんな不毛なこと早くやめて、穏やかな夢女ライフを取り戻したい。
そして他人に恥じない彼の女になりたい。
小学生の頃、他の子の文房具とかを真似する子が嫌われてたなということを思い出した
夢小説によく出る夢主に嫉妬して絡んでくるモブみたいになってる