タイトルの通りなのだけど、VRやってみて一番に面白いなって思ったのは人間って、次に来るだろうショックに備える機能がかなり充実しているってことだった。
例えばジェットコースターVRを見ると、次に身体が振られるであろう方向に対して、何も考えなくても身体が勝手に衝撃に対して反対方向に身構えようとする。
こんなのはわかりやすい一例だけど、VRの面白さはそれだけじゃない。
例えば雪山にいるVRを見ると、身体が実際に寒さを思い出すようになる。
最初は視覚情報から寒さを感じてるのかなって思ったのだけど、どうも違うっぽい。
なんでかというと、寒さを感じるタイミングが少しだけ早い。
寒さって、風があたった直後に感じるんじゃなくて、その後体温が奪われてから初めて感じるのだけど、寒気は風が当たると同時に全身を駆け巡る。
最初は何だこれって思った。
映像の中で、動物が実際に近づくよりもほんの少し先に、鼻の奥に動物の匂いらしきものがふわっと広がるような感覚になった。
でも実際に映像が近づいたところで匂いはない。だから自然と鼻の奥の匂いも消えていく。
追体験なら匂い残っててもいいんじゃない?っていうのが最初の疑問だった。
それでまあ下品な話になるのだけど、疑問が確信に変わったのはVRAVを見ていたときのこと。
VRでAV見たいっていうのは、隠しもしない下心だしでもロマンだからわかってほしい。
普通のAVではありえないような距離に女優さんが近づいてくる。
そうすると、これまた女優が実際に近くなる手前で、香水やらファンデーションやらの匂いが鼻の奥に蘇ったのがわかった。
次に女優が口元に顔を近づけてくると、今度は口臭が鼻の奥にふんわりと広がる。
そうやって、女優の身体が近づくたびに、その場所にあるかも知れない匂いが鼻の中に広がっては消えてを繰り返した。
VRすごい!面白い!って大興奮してから、その後すごく冷静になってから考えてみた。
これってもしかしたら、次に訪れるべきショックを事前に体内で再現しておくことで、本来のショックを和らげようとしているんじゃないかって。
考えてみると辻褄が合う感がやばいんだよね。
突然予想もしてない臭いを嗅いでしまったときって、結構ショッキングだったりする。
でも、事前にこういう臭いが来そうだな!って感じてるときは、うわーくせー!って思うけど、実際にはそうでもなかったりする。
例えば美味しい美味しい茶碗蒸しでも、冷蔵庫にあってプリンだ!って思い込んで食べると吐き出したくなるような衝撃を受けるじゃない?
あれって、口の中がすでにプリンの味になって、それなのに甘みのない茶碗蒸しが飛び込んでくることによるパニック状態なわけだよね。
人間ってすごい!
視覚情報から次に起こるべきできごとを、事前に少しだけ追体験させておくことで衝撃を常に和らげるように出来てる!
結構すごい発見だと思うのだけど、これってAIに活用できないかな。
ギロチンの話はわからないけど、もしかしたら似たような経験を一度したことがあって、身体がその時の衝撃を覚えていたのかもね。
それはそれでこわい話だけど。
でもきっと、一度でも身体が経験したことであれば、その追体験を視覚情報でさせることは比較的簡単かもね。
このままだとPTSDをただただ悪化させるだけな気がするけど、あとはえらい人が考えてくれそうな気がするよ。
このことを踏まえてVRやってみて。
納得感がすごいはず!