2018-09-05

盗作(パクリ)か否かを判断し易くする為の手法と法理。

https://www.kottolaw.com/column/180830.html

松澤邦典弁護士コラム

抽象化テスト(abstraction test

著作権法は、アイデアとその具体的な表現とを区別して、具体的な表現だけを保護対象とする。そのため、一般に、アイデア共通しているだけなら著作権侵害ではない、ということが言われる。「アイデア表現二分論」と呼ばれる考え方で、世界的にそのように考えられている。

アイデアまで保護してしまうと、自由表現活動が妨げられる、というのが理由の一つだ。

表現保護されるがアイデア保護されない。

そこで松澤弁護士は、アイデア表現区別するための手法として「抽象化テスト」というものを紹介している。

抽象化テストとは、具体的な作品から個々の出来事をどんどん取り除いていくと、より一般化されたパターンが導き出され、最終的には作品テーマについての一般的な記述か、ときタイトルのみに行き着くところ、この抽象化過程の一点にアイデア表現の境目が存在するという考え方だ。

リンク先ではドラえもん物語例を挙げて抽象化テストを行っているが、私ではよく分かりにくい。

個々の出来事を取り除いていくとアイデアが残る、取り除いたもの表現である、という事なのだろうか。

■「シーン・ア・フェール法理(scenes a faire doctrine)」(「ありふれた場面の法理」「ありふれた情景の理論」)

シーン・ア・フェール法理とは、特定テーマを扱う上で、実際上不可欠(indispensable)になっているか、少なくとも標準的(standard)になっている出来事登場人物、設定などには、著作権保護を与えない(unprotectible)という考え方だ。

大ざっぱに言えばありきたりな状況の描写だけしか見られない場合盗作とは言いがたいという事らしい。

その状況は物語で不可欠であると認められる必要はなく、標準的描写であっても同様に保護されにくい。

しかし、だからといって徒に捨象すると判断を誤るらしい。

理由は、ありふれている表現の組み合わせも創作的表現であるという事のようだ。

ところで、松澤弁護士によればいわくつきの廃墟といえば日本では旧日本軍施設施設で行われていた事といえば人体実験・・・というのは割と定番のような気がするとの事だ。

私は創作物に詳しくないがそのようなイメージが多かったのだろうか。それは知らなかった。

私の場合は曰わく付きの廃墟というと、人が事故死したとか、殺人事件があったという、オカルトというか心霊的な曰く付き連想する。

皆さんはどうだろうか。

ともかく、ここの手法と法理は法律家だけではなく我々素人も覚えていて損はなさそうである

  • 「日本のホラーで」という前提がつくなら 「旧日本軍が人体実験していたという廃墟」はあるあるなんじゃないかな。 ゾンビの由来が旧日本軍の実験というのもわりと多い模様。

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