連日のニュースでも上位に出るような気温の町の高校に勤務して1年目。
断言するけど、子供が何人倒れようと死のうと現場の教師たちは変わらない。
小1男児死亡の痛ましいニュース、人災としか言いようのないあの話を受けて同僚(40代男性体育教師、小学生の子持ち)の口からこぼれたのは「それくらいで死ぬ子ならここから先も生きていけないね〜」というつぶやき。
より正確には、冬の持久走の授業時間数が足りていない生徒の追試験代わりの「補走」。
開始時間は午後1時、予想気温はゆうに35℃を超える。
クソのような縦社会の体育職員室で、勇気を出して「今日走らせるのはリスク高すぎないでしょうか…?毎年この時期なんですか?」と訊いてみた。
件の体育教師(主任だ)は不思議そうな顔をして「やるよー。ここで補走をしなかったら奴ら(生徒たち)単位出なくなるから。必修科目だから救済策のようなもの」という答えが帰ってきた。
「暑いんだよこの時期に走ったら死ぬわ正気かボケ」というつもりで投げた質問だったのだが、返ってきた答えは「暑さ」「時期のおかしさ」について最初から疑問にも思っておらず、私がそのような意図だとは思いもしていないようなものだった。
質問を変えて「持久走の時数不足は3月の時点で分かってますよね?だったら4月や5月に走ることはダメなんですか?」と訊いてみた。
面倒くさそうに「だって追試験って夏にやるものでしょ。こちらはサボった生徒に救済策を与えてやってるんだよ。人より時間数が足りてないんだから、これは『試練』とも言えるね」という答えが返ってきた。
咄嗟に言葉が出ず、またこれ以上この教師に言っても無駄だと思った。
養護教諭に事前に根回しする、スポーツドリンクを買い込む、コースの途中に立って様子を見る、くらいしか今日の私にできることはなさそうで情けない。
生徒が死んだ学校で働くのは嫌だ。
いくら気象庁が「危険な暑さです、屋内にいましょう。外出は控えましょう」と呼びかけようが、子供が犠牲になろうが、学校現場はこんなものだ。
せいぜい市教委のお偉いがたが「安全管理は徹底していたが、事故は予見できなかった。再発防止に努めます」と頭を下げて来年の夏が来るだけだ。
生徒がいくら暑さを訴えても、多くの教師にとってそれは「はいはい、でもそれは仕方ないの。ワガママ言わず大人しく従え」という結論にしか結びつかない。
危険な暑さの中で強制的に走らせてなにが「保健体育」だ。「自らの体を大切にして健やかに生きることを学ぶ」だ。
保護者のみなさん、声をあげてください。
情けないが、内部から動かすのは非常に困難なんです。
助けてください。
学校や教師の現実。いくら当人が反発しようと世間知らず。
お前が無能なだけだろ