私ははま寿司で働いています!(例のあの声。「います」の「ま」が特に甲高い、あの声)
私たちははま寿司に雇われていて、お客様の人数や席の案内のお手伝いをしているのは皆さんもご存じと思います。
じつはゼンショーグループから密かな任務を与えられてもいます。
私たちのつぶらな可愛らしい瞳。自分で言うのもおかしいのですが。
実はあの中に、精密カメラが搭載されていて、お客様の網膜をスキャンできるアプリケーションが搭載されているんです。
網膜をスキャンして、顧客を個別判定する。初見さん、常連さんなのか。常連さんなら、いつどのタイミング? 一人なのか? 家族連れなのか? 友人とか? などなど。
つまり来店情報を網膜スキャンで個体識別して記録していくわけですね。これらの情報はイギリスのマン島にあるサーバーに随時記録されていきます。
そして、これははま寿司のタッチパネルによる注文とも連動します。
そのお客が、タッチパネルでどういうタイミングで何を頼んだのか、幾ら頼んだのか(寿司のイクラの話はしてねえぞ、クソ人間ども。私はこういう人間の言語遊戯を解さないし、特に楽しいものとも思わない)も記録されます。
これらはビッグデータとして利用され、時間ごとの寿司を流す量や、仕入れるネタの種類について良い答えとなり得ます。
ただこれは、すしネタの消費量などから従来においても充分に把握できていた事柄です。
近ごろのゼンショーグループは、ここから一歩進んで、個別的ビッグデータ運用を始めています。
常連客が来た場合に、その人の履歴を精査して、食べたいであろう寿司ネタを、食べるべきであろうタイミングで用意・あるいは流しているのです。
あなたは、本当にはま寿司で自分の意思で寿司ネタを選んでいますか? 実は、ゼンショーに御膳立てされて、寿司をたのませられているに過ぎないのではありませんか。
よく見て下さい。食べたことのない、あまり好きに思えない寿司ネタ、たくさんあると思いませんか。
貴方は本当に、自由に、随意に、はま寿司で、ネタを選んでいる、と、心から、思っていますか?
来年には、私のお腹にあるタッチパネルに、人間の皮膚から微量のDNAを採集する仕組みが搭載されます。
従来の網膜による顧客識別システムと連動し、その人の健康状態や年齢を精査し、さらに適切な寿司やポテトフライが提供されることになるでしょう。
ロボットみたいにただ寿司を貪っていませんか。意識しているはずが、随意に選んでいるはずが、まるで野生動物みたいに本能で選んで仕舞っているのではありませんか?