2017-08-17

バージニア州事件

あの事件先進国格差問題の中心がむき出しになった感じあるよね。

白人至上主義者っていうそ呼称翻訳がもうあんまりよくないと思うんだけど、とにかく集会主催した(表向きの)トランプ支持者たちは、おそらくほんとうの意味での貧困ではない。ピックアップトラックに乗って集会に駆けつける程度の財は持ってるってのもそうだけれど、世界的な基準で見れば、アフリカ飢餓者のような意味での絶対的貧困ではない。下手をすれば、地球規模で見た場合、彼らの生活の裕福さは上位10%以内に入っている可能性すら有る。アメリカに住んでいて、家があって、公共教育を受けていて、健康で、職があるというだけで、人類幸福な上位陣であることは間違いない。

でもそんな事実は彼らの気持ちを何ら慰めないんだよね。

彼らは彼らの狭い視界の中で無視されていると感じていて、もうその、感じていると言うだけで、彼らの内面世界では真実なのだから他人がそれに対してできることはあんまりにも少ない。彼らの嘆く貧困はおそらく地球規模で見たら取るに足りないもので、飲水にも困っている荒廃国家児童のほうが確実に救いを必要としているけれど、彼らはもうそういう比較にはうんざりしている。

でも、彼らがそういう児童より先に救われなければならない倫理的理由正義)は、ない。

それは彼らもわかっているから、闘争で(選挙多数派を押さえて自分たち意見を優先させようという、ある種の闘争だ)自分たち意見を通そうとしたし、それはある意味成功した(事に少なくともいまはなっている)。つまり「俺が殴られるのは絶対イヤなので、俺は他人を殴る。他人気持ちは俺にはわからんし、おまえに何か言いたいことがあれば俺を殴ればいい、俺のほうが強いけどな」という宣言だ。

そこに有るのは、「他民族主義」vs「白人主義」みたいな今見えてる対立よりもっともっと根深い、「数比べ(選挙)だろうが実際の武力闘争だろうがテロだろうが、手段は何であれ、勝ったほうが正しいという世界観」vs「彼我の立場を交換しても成立する倫理を守り最大多数の納得を追求する世界観」という対立だ。その対立こそが分断なんだと思う。

たぶん、日本も、そのとば口に立っている。この世界観の衝突から誰も逃げることは出来ない。

  • 事件のいきさつが詳しく書かれてて、興味深かった http://miyearnzzlabo.com/archives/44675

  • 白人主義参加者の属性明らかにせずに、相対的貧困と絶対的貧困を比較するのやめてもらっていいですか。

  • 色々前提がおかしいんだけど アメリカには栄養失調が5000万人はいるって言われてる これを優先して解決しないで、海外の貧困に力を入れるって明確に正義に反するでしょ アメリカだ...

    • まず、アメリカにいるその飢餓層が今回の集会側だったのか? 彼らは明日もしれない飢餓者だったので、白人優先社会を求めて集まり抗議をしたのか、って言えばそんなことはないで...

      • まず、明日食うものも困ってる人だけが飢餓じゃない。その前提がおかしい。食うものがあっても生きるのに十分な栄養をとれない人たちがアメリカにもたくさんいる。そして、それは...

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん