なんか突然思い出して、「Vip Star」なんていう昔のvipのパロディを久々に見た。そして思った。今はどこにもこんなもんを面白がるコミュニティは存在しないんだなって。
オタクが社会的地位を得たなんて嘘だってずっと思っていたが、今やTwitterなんていう一般的プラットフォームでオタクがアニメアイコンで何かつぶやいていたって、別に気持ち悪いって思っても、誰もそれを言わないだろう。もはや気持ち悪いとさえ思われないのかもしれない。多分それが地位を得たってことなんだろう。
「昔は〜」なんて言ってるやつが、前は気持ち悪いと思っていたが、今まさに自分が昔はよかったなんていうエントリを書いてるんだから、多分人は年と共に変わっていってしまうんだろう。
もともと、2chやその周辺に「俺の思うオタク文化」っていうのは成立して、そこはいわゆる「表の社会」とは隔絶されたところあった。表に生きる人間は存在こそ知っていても別にそんなところにわざわざ足を踏み入れようなんて思わなかったんだろうし、逆にずっとそこに巣食う人間にとっては、そこが全てでそこで起こることが楽しかった。今から思えば何が面白かったのか、分からないことだってある。でもそれがコミュニティっていうものなんだろう。
ある時期から、ニコニコ動画なんていうサービスができた。いつからできたのかは知らないが、俺が知って参入していったのは、ある程度コミュニティが確立してからだった。まだそこまでは、時代に順応できるくらい頭が柔らかかったんだろう。ニコ動やそのコミュニティを鼻で笑うようなやつもいたが、次第に毎日毎日見るようになっていった。俺が投稿した動画こそたいして再生されはしなかったものの、面白いやつが動画を作ったり、空耳をコメントで書いたり、そういったクソみたいだがちょっと面白いアイデアを持った奴が何か暇を潰すのにはもってこいなサービスだったんだろう。
ボカロだって一時期はよく聞いたもんだ。素人が作ったもんと言ってしまえばそれまでだが、しかしそこにはコミュニティとしての付加価値があった。
当然だが、こんなネットの話はネットの外でできる話題ではなかった。しかし毎日その世界に入り浸っている俺にとってはそれしかできる話がなかったし、だからコミュニケーションをとることだって難しかった。もっともそれは言い訳かもしれないが、しかし、つまらない人間だったのは確かだ。強いて存在する共通の話題が尖閣ビデオについての感想だったりするんだから。
だが、実生活の転機もあったからか、そういった「ネット文化」ってやつから次第に離れるようになっていった。気づいてみれば浦島太郎状態だ。vipもニコニコも、もはやコミュニティとしては崩壊してしまったようにしか見えない。ランキング上位の動画は何を見ても面白くない。ボカロだって新しいものが何もない。クソスレしかなかったvipにはもはや本当にクソしか無くなってしまった。
みんなどこに行ってしまったんだ。あの専ブラを開く時の、ランキングを開く時のちょっとワクワクする感覚を返して欲しい。そこにはまだ見ぬ新しいものがある。そんな高揚感はもうどこにも無いんだ。
誰か面白いことをする→つまらないやつが真似しようとする
ネガティヴなコミュ障オタクが潰されてアクティブなコミュ障オタクが台頭しましたとさ。
ネガティヴなコミュ障オタクが潰されてアクティブなコミュ障オタクが台頭しましたとさ。