http://www.gentosha.jp/articles/-/7124
これはこれで一人の女性の実体験に基づく描写としては構わないし、とても面白く読んだのだが、やはりさるころさんにはとても違和感がある。元夫さんタイプの人間として一言いいたくなった。
だいたい元夫さんがすごくつまらない人間、ダメ人間に描かれている。「元々そういう人間だった」とか「川の水」とか言われているし・・・。なんでこんな人と結婚しようと思ったのかが、さっぱりわからない感じになっている。結局弟さんの口を借りて、「そもそもダメな人だったからいいんだ、べつにアタシのせいじゃないんだ」という結論になっている。当然イイところがあったから結婚したはずなのだが、それがさっぱりなかったことになっている。
あまり一般化してはいけないが、女性は別れた夫や彼氏を過剰に悪し様に言うことが多いと感じる。男からすると一度でも好きになった人をなぜという違和感があるのだが、「こんな男を一瞬でも好きになった自分の情けなさに腹が立つ」のかもしれない。だから、元夫さんによかった点などなかった、という思い込みに基づく描写になってしまっている。
顛末はあまりにわかりやすい話で、結婚にあせったアラサー女子が、ようやく結婚してテンションをあがりまくっていた最初は、夫のために家事でも何でも喜んでやっていたが、テンションがさめてくると次第にしんどくなり、そこで家事とかを次第に任せようとしたら、全然出来ないし、やっても中途半端で、ますますイライラがたまり、次第に夫自体がいやになってくる・・・。まさに現在家事でネット上で文句を撒き散らしている妻たちが直面している問題のテンプレートそのものである。
男の立場からすると、「今までみんなやってくれたのになぜ?」「いきなり言われてもやりかたがわからない」「やったらやったで文句を言われる」ということになる。今まで普通にやってくれていた家事をいきなり嫌だといいはじめ、だんだんと不機嫌になっていく理由が分からないので、困惑するしかない。たぶん元夫さんは、「家事がしんどいというより、オレという存在自体が嫌になってきたんだろうな」と感じていたはずだろう。だから離婚する時も驚くことなくあっさりとそれを受け止めたのだろう。
「約束」というのが何度も出てくるが、おそらく元夫さんは今の事務仕事をコツコツやりつづけて、高望みせず好きなゲームをしてのんびり生きたい、というだけの人だったのだろうと思う。元夫さんは「約束ね、わかった?」とさるころさんに迫られて「うん」とは言ったのだろうけど、所詮は内発的なものではなく、既に仕事をして生活に足る収入があるわけだから、やる気が出るわけもない。
もちろん、さるころさんからの視点としてウソはないのだろうけど、元夫さんからの視点を読みたいと思った。読めることはないだろうけど。
というかルールをもう一度すりあわせようとする前に愛情を測ろうとしてる時点で、 私が服従するかおまえが服従するか選べという人間性が透けて見えてるんだよなぁ このタイプの夫で...