基になったのは、有用な論文は多くの論文に引用されている、という気づきだ。
このアイディアを基に、有用な情報は多数のページからリンクされているという仮説を立てて、それを検索順位に反映するアルゴリズムをGoogleは作り出した。
誰もが自分のサイトに載せている情報の専門家であった天国の様な時代には、それで良かったのだ。
Googleの検索順位付けは素晴らしく、当時のYahoo!の様なインデックス型の検索エンジンを瞬く間に駆逐した。
しかし、そのアルゴリズムを悪用して中身のない広告ページが検索順位の上位に現れるということが起こる様になった。
つまり、役に立たない広告ページが狙ったキーワードで検索上位を占めるという現象だけ見ると、それはWelq問題が起こるはるか前から起こっていたことなのだ。
Googleはその度にアルゴリズムに変更を加え、悪質なサイトを排除してきた。そしてGoogle自ら、健全で中身のあるウェブサイトのガイドラインを公開してきたのだ ((ウェブマスター向けガイドライン(品質に関するガイドライン) https://support.google.com/webmasters/answer/35769?hl=ja)) 。
それは、天国で生まれたGoogleにとって、顕現してくる地獄に引き摺り下ろされるような苦痛を伴う作業だったのではないかと思う。
それまで悪質なサイトで行われていたのがGoogleのアルゴリズムの隙をついて検索順位を上げるブラックなものだとしたら、そのガイドラインに沿ってサイトを作り検索順位を上げることはホワイトな行為だと見なされてきた。
間違えてはならないのは、Welqをはじめとしたキュレーションメディアはそのガイドラインに沿った『ホワイトな』コンテンツ作りをしてきたという点だ。たとえそれが倫理的に劣る行為であったとしても。だからこそ、Google検索で軒並み上位を占める結果を出したのだ。
ここでGoogleはまた、キュレーションメディアのスパマー達(あえてこう言わせてもらう)とのいたちごっこのスタートに引き摺り下ろされたのだ。Googleの検索アルゴリズムは変更を余儀なくされるだろう。
だが、今回の件は『倫理的に劣る行為である』という点から火がついた。そこをカバーする新アルゴリズムというのはどんな姿になるのだろう?機械が人間の倫理を理解するには、まだ早すぎはしないだろうか?人間が考える倫理を機械に明け渡してしまうことは、本当に正しいことなのだろうか?それは地獄へ続く道ではないのか?
おそらくそれよりは、信頼できるドメインが信頼できる情報を発信しお互いにリンクし合うという、かつてGoogleが生まれた時に存在した天国を再び目指すべきなのではないだろうか?
いや、本当はそんなことは出来はしない。時間の針を逆に戻すことなど誰にもできやしない。それに、機械が判断した『正しさ』を鵜呑みにして生きることだって、多分そんなに悪いことではない。
自分が正しいかどうか判断できない情報を目にした時、それの『正しさ』を保証してくれるのが機械だろうと人間の専門家だろうと、信じることができればどちらだって同じじゃないか。自分の頭の中身がいつの間にか機械にすり替わっていたとして、それに気付ける奴なんてどこにいるんだ?
Googleの繰り返してきたパンダアップデートが不十分だったからこそまとめサイト・キュレーションサイトが検索上位に並び続けてきて 結果としてウェルクのような結末を迎えたというの...
どんなパンダアップデートがあればWelq問題を防ぐことができたのか? そこを考えずに結果だけ見て騒いでも、第2のWelq問題の発生は止められないよ。
止める方法はあるだろ Googleが検索エンジンのサービスやめればいいだけで やる以上は社会に与える影響力を考慮して管理しなければいけないっていうのは力を持つ者として当然の責務だ...