2016-11-05

医学生に「良い医者になってください」って説教するのやめろ

自分より学歴の高く自分より年齢が低い者に説教することに悦びを見出す人たちがいる。彼らにとっての恰好ターゲット医学生である。彼らは医学生に「良い医者にならなきゃダメだぞ」と説教して学歴コンプレックス鬱憤を晴らす。

「彼ら」は医学生だけを標的にする。本当はエンジニア官僚教員研究者薬剤師アナリストクォンツを志望する学生にも説教をしたくてたまらないが、できない。それは、「彼ら」はエンジニア官僚教員研究者薬剤師アナリストクォンツが何をやっているか知らないからだ。高学歴者の就く職のなかで彼らが辛うじて理解できるのが医者だけだ。だから医師志望の学生に集中的に説教をする。

外来や臨床で患者と向き合う時間医者職務のほんの一部でしかないのだが、「彼ら」はここを攻撃してくる。先日入院したとき医者はとんでもないやつだった、患者の目を見ない、難しい用語説明する、患者の話を途中で切る、親身さが感じられない、看護婦からも嫌われていた ( 「彼ら」はいまはもう看護師と呼ばれることなど知らないし、まして「パラメディカル」だなんて単語は聞いたこともない。病院にいて医者でない人間はみな「看護婦なのだ ) だのと、礼儀上の不備をまくしたてる。礼儀に関することは、どんな学識のない人間でも一家言持てることである。「彼ら」の得意領域はここだ。礼儀正しいだけで病気が直るならば医学は要らない。全国の公立中学校野球部員をかき集めてきて白衣を着せて医者に任ずれば良い。現実がそうでないということはやはり医師にとっての必須の素質はそこではないということだが、「彼ら」は気づかない。

病人はわかりやす弱者である。だから病人に対する態度は道徳的文脈から非難やすい。加えて、医者給料税金から出ているから、「彼ら」にとって自分も何か言って良いという認識を持ちやすい。

「良い医者になってください」はただのマウンティングからやめとけ。

  • こういう人、本当にたまにいる。 ただ、医学生だけってことはないと思う。 コンプレックスかどうかは分からないけど、マウンティングみたいなものだろうな。

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