2015-11-15

怪物と闘う者は、その過程で自らが怪物と化さぬよう心せよ

しばき隊の大物が勤務先から退職に追い込まれたという。

http://hosyusokuhou.jp/archives/46000076.html

しばき隊リーダー格だった@bcxxxという人物が、会社を辞めざるを得なくなった経緯が上の右翼まとめサイトに載っている

先日のエフセキュア社勤務の小久保さんに引き続いてのこの事件を聞いて、私は標題ニーチェ言葉を思い出した。

もともと在特会という排外集団が「朝鮮人を殺せ」というあるまじき言葉を吐いてデモ行進を始めたことが発端。

それに対して、さいしょ、彼らへのカウンター組織は非常に理知的対応していたのを覚えている。中でも野間易通という人物が、在特会暴言に対して順々と諭すように説得を試みていたのを観て、私はキチガイ集団に対して、身を張って道理を説得する人物が日本いたことに大変誇らしい気持ちになったのを覚えている。

ところが、しばらくすると彼らの中から在特会の度重なる挑発に耐えかねたのか、暴力的な言動をする者が現れ始めた。しばき隊だとか男組だとかと名乗り、刺青を見せて暴力団との関係を臭わせながら脅迫をする動画が、今でも多数You Tubeに挙がっているだろう。

この時点で、こいつら左翼活動に全くシンパシーを感じなくなったのだが、しばらくぶりに調べると、彼らは暴力事件も起こしていた。それも、在特会デモに参加しようとしていた女性10人がかりで押さえつけ、目に指を突っ込もうとして眼底骨折を与えていたそうだ。

http://hosyusokuhou.jp/archives/38327545.html

しばき隊側の説明によれば「暴れる人間を押さえつけようとしていただけ」だそうだが、そもそもデモに参加しようとする人間を押さえつけて参加させない権利は、他の人間には一切ない。それに抵抗するのは極めて当たり前の行動だし、それを相手に骨折を与えるほどの力で抑えつけるのは全く許させる行為ではないのに、しばき隊という組織はその常識すらなくなっていたということだろう。

ネトウヨ」という言葉があるのに「ネトサヨ」という言葉がないのは、ネトウヨ側に

排外主義を主張していることが世間にばれれば自分社会的地位が危ない」

という常識が有ったから、匿名ネット上で活動していたのに対して、少数者の人権を守れという常識的な主張をしていた側は顔や名前オープンにして、ネトウヨ側に対抗、

「お前らは匿名しか活動できない卑怯者だ」

アピールしていたからだろう。

ところが、こうしてしばき隊やその後継組織違法行為を続けていれば、左翼側の顕名行動が仇になり、退職に追い込まれしまうハメになる。

これからも「ネトウヨではない」ことをアピールしていたしばき隊の人々は、次々に会社を辞めざるを得なくなるのではないだろうか。

そして、やがて彼等はネトウヨと大差ない活動を行なうことになるのだろう。

対抗の連鎖エスカレーションするし、過激になるし、その過程怪物退治をしていた人間怪物になってしまうことがこうして現実に目の前で起こっているのを見るにつけ、「在特会へのカウンター」という行為が、実は悪手だったのだ、ということに今更ながらに気がついた。

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