2015-06-20

いいから早く学位よこせ

博士後期課程1年目。

修士の段階で、研究してる分野で1.5流くらいの雑誌論文を出した。研究室学生史上、最高のインパクトファクターを記録した。今は2本目、3本目の論文投稿に向けて準備中だ。

一応、国内トップと言われる大学にいるけれど、博士号の取得に必要要件は、「国際誌に投稿論文を最低1本」だ。だから、僕はもう学位要件を満たしている。一方で、周りをみると、D3,D4にもなって、論文がなくて卒業できない学生がたくさんいる。でも彼ら・彼女らは、「いつまでも研究室に居られても面倒見きれない」という理由で、結局は、国内学会が出す「一応国際誌」にお情けで何とか1本ねじ込んでもらい、博士号を取得するのだろう。

そうして彼ら自身が、また世間が彼らのことを指して、「ポスドク問題」だのなんだのと騒ぐ。プロ世界はどこだって有期雇用実力主義なんだから当然だ。ビジネス世界だってそうだろう。問題本質は、全員を研究者にしようとして、有期雇用のくせに中途半端給料しか払えないことだ。ビジネス世界プロと違うのは、ここだ。本当に世界トップを目指す、少数精鋭の研究者だけを残し、有期雇用でいいから、高給で雇うべきだ。研究者は互いに高給のポジションを奪い合い、研究所は優秀な研究者を高給で引き抜き合う構造をつくるのだ。

から、お情けの博士には、これ以上情けをかける必要はない。彼らに世界トップを目指す自覚なんてない。絶対研究者になれないんだから、彼らはテクニシャン事務方として安定的身分で雇ってやればいいのだ。それは決して「敗北」ではない。プロ研究者世界トップで戦うのを、裏でサポートする、立派な仕事だ。そういうキャリアを、もっと一般化させてほしい。頼むから世界トップを目指す研究者邪魔をしないで欲しい。

博士号は「とらないと気持ち悪いけどとっても食えない」、だから足の裏の飯粒と一緒だ、とよく言う。僕にとっては、「とっても何も変わらないのに、とらないと許してもらえない」から社畜有給と一緒だとでも言おうか。ああ、はやく独立した研究者として活躍したい。自分アイデア研究費をどんどんとって、周りの研究者とどんどんコラボして、「あいつらマジやべぇ」ってなって、世界を驚かせ、人類前進させる発見をしたい。なんであと3年も授業料払って、学生をやらなければならないんだ。いや、2年でとってやる。

博士号なんてゴミだ。いいから早くよこせ。

  • 東大の博士卒が来ましたよ。 自分の分野でも、東大は、確かに、博士の早期修了をめったに出さない大学として有名だね。 京大とか他の大学だったら、この人、とっくに早期修了してい...

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