2014-03-25

こんな社会にマジになっちゃってどうするの

 伊藤計劃皮肉を込めて描き、死後にまで作動する「悪ふざけ」のプログラムを残し、そして「悪ふざけ/本気」としてそれを実行する/せざるをえない、この社会のものを相対化するプロジェクトであるのだと、ぼくは考えています。そこで必要なのは、きっと怒りではなく、(冷めた)笑いの共有なのではないかと思います

伊藤計劃以後とは何か? - the deconstruKction of right  http://d.hatena.ne.jp/naoya_fujita/20140323/1395596751

伊藤計劃以後』が単なる商業意味だけを持つバズワードに過ぎないことを聞いてもないのに語りはじめ、

ひとりの男が脳髄から絞り出した知的生産物を「人が死んで悲しい!感動!」のパッケージに詰めて売ることを深夜にセコセコ正当化し、

早川書房さんの販売戦略は間違ってない!!!」とワンワン声で吠えまわり、

同業者に窘められた挙句Togetterに書き散らかされた通りすがりツイートへの全方向大反論宣言をブチ上げた気鋭の新人営業マン、違ったSF評論家

藤田直哉大先生のおかげで、あなたのおっしゃる怒りを越えたところにある冷めた笑いというもの理解できそうです。あはは。ばっかじゃねえの?

先日のエントリに対する「反論」とされたこのエントリーに目を通したとき書き手が何を考えているのかわからなかった。

何を言っているのかということはわかる。主張は3つだ。

伊藤計劃は売れたからすごい」

伊藤計劃の死は物語の一部だ」

伊藤計劃はその死を贈与した」

おいおいマジかよと俺じゃなくても思っただろうし、事実ボロクソに怒られてるみたいなので、この点については今更突っこむ意味がない。

伊藤計劃が自らの死後に何を託し、何を期待したのかは一読者にとって知る術がない以上言及できないが、

特に一段目、三段目の言は……物語の作り手に対してこれ以上の侮辱ちょっと思いつかない。

これに肉薄できるのは先月の大学生×SFのトークイベントに参加した読書人大賞の推薦文投稿者(※この賞は推薦者の読書感想文への投票で決定する)が言ってた

「こういうのよくないと思うんだけど、死んだ作者の物語をないまぜに折り込むと決勝の書評合戦で勝てるんスよねェ〜」くらいか。まあいいけど。

どこまでやんのか知らないけど辻斬りがんばってくださいね

伊藤計劃や『ヨハネスブルグの天使たち』について語るときに彼らの口から決まって出てくるのが

「これはぼくたちの社会だ!!」というほんっとになんのヒネリも個性もないクッソつまらない笑えない一言なのだけれど、読書感想文宿題やってんじゃないんだからさ。

で、さいきょうのどくしょかんそうぶんけっていせんを通過したさいきょうのどくしょかんそうぶんの書き手ポロッとこぼしたのがさきの言葉なんだよ。ほんと。アホくせえ。

藤田大先生もいらしたんでしたっけね、このイベントええっと壇上に。いやーほんとすごいよすごい。あれがお前たちが生み出した怪物の人形だよ。

いやーそれにしてもアニメ化も決定したしどんどん売れるね。次は嵐主演で伊藤計劃の闘病映画だね!

てめえ如きに教わらなくとも諦め方も笑い方も、呆れ倒したあとにくる虚しさだって知っている。

それでも俺は怒るんだよ。

http://anond.hatelabo.jp/20130707105543

http://anond.hatelabo.jp/20140308193257

記事への反応 -
  • うあああ自称SF読みども超気持ちわりーーーーーーーー。 (13.7.11追記) うわああああ気持ちわりーブクマいっぱいついてるううううー。 伊藤計劃の幻視したヴィジョンをJ・G・バラ...

    • 趣旨の大半は理解できますし、一定の共感すら覚えます。しかし、そこまで分かっているなら、この、SNSや、商業を舞台に行われているこの「project」の本質(とぼくの思うもの)...

      • 横槍であれだけど。 わけわからん批評家っぽい変な人のことはおいといて。 読んでて気になったことがあった。 増田はアニメ化についてもそこに商業臭さというか敬意の欠落というか...

    • 他の読者に向かって読み方を強制するなよ。自称SF読みの一番の気持ち悪さはそこだろうが。老害乙。

    • 古参の人間が、新規のファンに「作法」を強要し始めた時、ブームやビジネスは「文化」となり、政府の補助がなければ、まともに維持できない物に落ちぶれる。

      • 増田はその『ヨハネスブルグの天使たち』が「作法を強要する」小説だって言いたいんじゃないの? 場末でブラウンやら筒井やらビッスン持ち出して風刺だの予言だのチマチマクダ巻い...

    • 増田はその『ヨハネスブルグの天使たち』が「作法を強要する」小説だって言いたいんじゃないの? 場末でブラウンやら筒井やらビッスン持ち出して風刺だの予言だのチマチマクダ巻い...

    • http://anond.hatelabo.jp/20130707105543 これのマネ?同じ人? なんかちょっと見てられん。

    • <hopelessness> これは、どうにもならない。 </hopelessness> 『ハーモニー』(ハヤカワ文庫JA) P.68 伊藤計劃は偉大な作家だ。 少なくともある程度本を読む人間にとって、彼の代表...

      • いや確かに伊藤計劃は凄いし、自分もメタルギア5小説版やThe Indifference Engineまで読んでるファンだが 死んでなかったらもっと話題になってなかったと思うよ。

      • http://anond.hatelabo.jp/20140308193257

      • 伊藤計画の本ってもうブックオフで100円で買えるのかな ちょっと探してみるか 和製SF小説ってなんか全然読む気になれないんだよ 人工知能学会の表紙で喜んじゃう層が書いたり読んだり...

      • このエントリ、ツイッターでまあまあ拡散されてるんだけど 「引用して、共有して終わり」ってのはすげえわかる。 伊藤計劃だいすきだったはずのアカウントも、 SFの復興ガーゼロ年代...

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