彼らは別に同性愛者ではなくて(まあそういうケースもあったはあった)、
妻帯してるのにBLを好んで読む、なんて人もいる。
自分は基本的にBLも801もダメなんだけど、ネット上の付き合いだと
……ちなみに、どういうわけか、腐女子の知人は殆どいない。友人、のレベルになると中学時代からの友人に一人だけ。
かくいう自分は、もともと表現の無法地帯としての男性向けポルノメディアへの興味が強くて、
一方で最近、ハーレクインやら乙女向けやら、所謂女性向けポルノをちらほらと読むようになった。
いわゆる「乙女向け」(男女の恋愛による)ポルノと、BLと両方扱ってる作家さんの作品に惹かれることが多かったんで、
これは一体どういうことなのだろう?と思って、しばらく、気がおかしくならない程度に両方読んでみた。
少し分析してみた結論として、BLという媒体には、欲望のフックとしての複数の要素がある。
それは幻想としての男性性、性別が単一である事から生じるジェンダー的な曖昧さ(極端さと、中性性の両方を含む)、
そして、曖昧さから強調された、二者(あるいは三者)の関係性が喚起するエロス、
これらの要素が、ひとつの作品の中でも「片方に振れることなく」、曖昧に顔を出す。
特に後者ふたつは男性向けポルノメディアだと期待しづらい部分で、「こういう特徴を持った人物が、この人物のこういう所に惹かれて」、あるいは、
「こういう人物がこういうシチュエーションに投げ込まれて」、ここの扱いが上手い人は、異性愛だろうが同性愛だろうが、それなりに面白い話を
書けるのだろうな、というような感想を持った。この手の分析をした人は山程いたと思うんだけど、まあ、自分が納得したかったので……
要素として並べてみたとき、そこに惹かれる男性が居るのはまあ、何となく理解できる気がする。
それと、女性が少女性に抱く幻想に近い、男性の少年への幻想みたいなものが噛み合ったとき、
ある種のBL作品を嗜好する男性というのが出てくるのだろうな……という推測。
自分は基本的に、「女のリビドーてんこ盛りの男性像」がちょっとダメで、
異性と話すのは平気だけど、ジャニーズのステージなんかも正視するのが辛いくらいなので、大半のBLは味が濃すぎて厳しい。
通常の恋愛小説と比較したとき、なんてったって色男分二倍。女性に限って言えば、
異性への嫌悪より、現実の女性・男性に、一切の幻想を「見ない」(これ重要)という性質が、BLを愛好するために必要な素養になってくる気がする。
とはいえ、男がBL嗜むには、第一に、男根に対する意識の、ある種のジェンダー的な束縛というか(うまく説明できない、
ホモソーシャル的な精神だったり、あるいは、ネットでホモが極端に忌避されるような)そういうのから自由になってる必要がある気がするのだけれど、
耽美趣味の延長なのかなあ。自分は男じゃないしBLも基本的には得意じゃないので、やっぱりよくわからない。
ただ、性というのはどこまでも非対象なのだな、という感慨はある。