浮気をしている。
元々浮気を嫌悪していた処女童貞厨であった、当初は浮気に持っていくつもりはなかった。だが結果としてしている。
大学に進学する前に付き合いだした年上の恋人がいた。童貞処女の恋人である。恋人には片思いし続けた相手がいたのだが、その人に振られてしまった。ちょうどその頃に好意を伝えたのだが、「あなたがわたしを好きだというから」という理由により次第に好意が芽生えたということで交際することになった。大学に進学し一人暮らしを始めた。遠距離恋愛を始めた。週1で恋人とは会っていた。今もそうだ。恋人が居るということも周囲に表明していた。すぐに適当に選び始めたバイト先は若い人が多く交流も活発な場所であった。飲み会や話などを通じているうちに特に親しくなった人がいた。数ヶ月して告白をされた。今まで生きてきてはじめて好きになった人だと言われた。同時に勿論あなたが恋人のことをとても好きだというのも知っている。それでも好きでいていいか、キープしてくれてかまわない。
自分はあまり恋愛ヒエラルキーの高いほうではない。平凡あるいはそれ以下だと思う。コミュ能力が強いわけでもなく、特別容姿にすぐれているわけではない。ただそんな自己に対しその人は過剰ともいえる評価をする。嘘偽りではなさそうなのは行動と投資に顕著で、「騙そうとしているのでは」などと疑い軽い難題を押し付けても「大丈夫です」といい笑顔で行動する。「わたしの今後はあなたが卒業してから考えるのでわたしを自由に使ってください」と言う。
その人は、自分から見て恋愛ヒエラルキーの高そうな人だ。容姿も平均以上であり、性格も温厚でやさしい。ただ今まで何度も告白されたが付き合ったことは一度もないという「キープでいい」と表明されたという甘えから、自分とその人は傍から見たら恐らく恋人同士にしか見えないような行動をするようになった。恋人にはやんわりと伝えてある。しかし、「恋愛ヒエラルキー」が高い人間ほど良いという考えを持つ恋人はとくに現状に対し言及しない。
自分は、本当に平凡あるいはそれ以下だと思う。コミュ能力が強いわけでもなく、特別容姿にすぐれているわけではない。今後生きていく中でこんなに自己に好意を向ける人間と出会える確立は限りなく0だろう。グダグダ贅沢なことを言う間にも歳は取る。労害は恋愛市場から駆逐される。自分は恐らくどちらのことも好きだ。ただランク付けが恋愛においては必要になる。計算をする必要が生じる。非常に傲慢で醜悪なことに。
最初に出会った好きな人が永久に好きであり続け、利益も生み続け、それが人間2人の間で同時に生じ、セックスし結婚し死ぬ。
童貞処女厨だった自分はそういうものが好きであった。同時にそうなるべきだ、それ以外のものは汚らしいと考えていた。
だがしかし実際には好意を本気で向ける純粋な人間の前で途方もなく罪悪感を感じるし同時にとても喜ばしいと考えてしまう。自分の返事ひとつで一人の幻想をぶち壊すことになる。
A←私←B 私「どっちにもいい顔したいワァ…」 人類発祥以来有る古臭い話。結果は大抵悲劇。引き延ばすほど、結果は悪くなる。さっさとどちらか切るのが上策。遅れれば遅れ...