2023-08-18

ジャンプ説教コメ常連の俺が考える漫画の防御力の上げ方

世界観の作り込み>テーマの重さ の不等式を絶対に守る

エロで釣るのか釣らないのかはキッチリ分ける

③思いつきで設定を増やさな

起承転結を「1~2話毎」「5~10話程度の一塊」「各章毎」「各キャラ1人ずつ」でそれぞれつける

⑤作者の言いたい言葉キャラクターに直接言わせない

最近新人が押さえられてないポイントはこの辺りかな。

漫画の作り方やコマ割りの仕方は真似っ子でも結構できちゃうけど、物語構造のものを作る技術が身についてないように思う。

まず意識して欲しいのは「この漫画がもし100話続くとしてどんな話にしたいのか」という道を最初に組み立てること。

その道を決めたらその漫画方向性が決まる。

人権問題について扱うけど最初は軽めに段々重くしていく」とか「100話あってもシリアスなんて一回も挟まずひたすらナンセンスギャグで笑かし続けたる」とかの大筋が見えてくるだろう。

そしたら次はそのテーマの重さに合わせて世界観を作り込んでいく。

テーマが軽いのに世界観をみっちり作り込んでも読者はついていけないし、重たいテーマを扱っておきながらフニャフニャの設定を毎回書き足していくようでは読者が呆れて去っていく。

たとえばトマトプーリコピンなんかは100話も続いているけど未だにキュートピアが実際にどういうものなのか良くわからないし、設定が毎回好き放題に増えていくが、そのフニャフニャっぷりがあの漫画と噛み合っている。

もしもガッチリキッチリ杓子定規に設定を練り込まれしまったら、読者の中からあの世界が持つ妙なリアリティの無さが失われてしまうだろう。

連載が長くなればギャグ漫画でもドンドン設定が増えてしまうが、そこで世界観を作り込みすぎ定期的にスクラップ・アンド・ビルドしていくのか、固まってきた設定に合わせてシリアスへと転換するのか、それを最初に決めておかないと途中で作品空中分解してしまう。

最初方針を決めておけば、序盤は読者から見れば何でもありの世界観に見せつつギャグをやり、中盤からは散りばめた設定を繋げていくことで世界リアリティを持たせつつテーマシリアスにしていくという流れもスムーズに行える。

まず100話連載できたらどうするのかを考えて欲しいと言ったが、実際には多くの漫画が20話程度で打ち切られてしまう。

そもそも「100話読み切れば面白いんです!」と言われても、相手ベテランだろうと読者はついていかない。

ひとまずは毎回ちゃんと盛り上げて欲しいし、山場の波は10話ぐらいの単位で用意して欲しい。

起承転結を作る時に、最も大きな塊、章ごとの塊、章を更に区切った塊、数話単位の塊と段階的にしていくのは絶対必要だ。

全体をちゃん階段状にするのは作家必須スキルである

そのためには物語の流れを作者がちゃんコントロールする意識必要になる。

キャラクターが勝手に動いちゃいました」と大御所が口にすることはあるが、それでも大筋は決まった上でキャラクターの動きに逆らわないのであって、キャラクターの判断に全てを任せて鵜飼のように構えているわけではない。

場当たり的にならないように各物語をゴールから逆算しつつマイルストーンを決めて動かしていかなければいけない。

作者の脳内で作っている時はゴールが既に見えているので「最高のゴールに向かうための経過」としてどんなシーンも映ってしまうが、読者の側にその盛り上がり画は存在しないことを把握しよう。

物語コントロールするに辺り気をつけなければいけないのは「設定を一度増やしたら戻せない」ということだ。

なぜそこを意識する必要があるかと言うと、「設定同士は相互干渉しあうので慎重に配置しなければいけない」からである

一度「このキャラクターには兄弟がいます」と設定したのにあとになってから一人っ子でした」と設定を変更することは出来ない。

同じようなことをやっているように見える作品は、実際には作者の中で「一見兄弟がいるように見えるが、本当は一人っ子である」という設定が決まっていて、そこに合わせて読者にミスディレクションを仕掛けているのだ。

新人漫画家の作品は次々に設定を増やしてしまってから相互干渉に苦しめられ、無数の矛盾を解消しきれないまま勢いで誤魔化しきれずに作者が潰れてしまパターンが多く見られる。

作品を作る時に最初に全部の設定を決めてしまうのは現実的ではないが、設定を増やす時に「これがあとになってから問題になることはないだろうか」と振り返る癖はつけた方がいい。

また、物語を描いていると絵やその後の繋がりばかり優先して「差別と黒人が大嫌いキャラクター」のような単品で矛盾した設定が出てきてしまうこともある。

フィクションを作るということはどのようなデタラメでも描こうとしまえば描けてしまうため、その整合性自分で取るという意識必要だ。

大事なのは物語の中で整合を取ることである

先程の例でも「自分客観性のないクズなので差別と黒人が大嫌いキャラクター」という設定なら成立する。

漫画を描く上で重要なのは「読者が納得するかどうかが最優先」という意識だ。

読者が納得すればどんな設定も描写もセーフになるし、読者への説得力作りが足りなければ作者の自己満足で終わることも多々ある。

気をつけて欲しいのは「どんなに作品好意的であっても、無理のある説明をすれば一発で読者は冷める」ということを忘れないことだ。

マジシャン自分から種明かしをするまで自分には超能力があるのではないかと思わせられなければいけない。

計画外のタイミングで観客の魔法を解くことがないように最新の注意を払うのはエンタメの基本だ。


最近ジャンプラで新人説教しても速攻でアンチ認定されて消されてしまう。

近頃は読者のメンタルも弱っているのか「僕の好きなもの文句をつけるなんてきっと悪い奴なんだ!」という感じですぐに癇癪をおこすようだ。

やれやれ

そうやって甘やかしても漫画家は育たないぞ。

いい植物を育てるためには剪定必要不可欠なんだけどな。

  • 100話だとかを視野に入れて世界観やテーマの作り込みとか悠長なことを言ってられないのが少年誌の連載漫画の現実 3話相当60pくらいまでに読者の心を掴めなければ打ち切りコースで長大...

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