2022-03-05

プーチンは「無敵の人」ではないか

みんなウクライナのこと言及してるし増田にこれ言ってる人いるだろうなって思ったら見つけられなかったので書く。

大雑把に言うとプーチンはほぼ国際社会版「無敵の人」になってしまった(なったというより、そうであることが明らかになった?)のではないかということだ。

失うものがないという意味での「無敵の人」ではないけど。

もちろん自分はこの戦争を支持しない。直ちに停戦すべきだと思っている。

ウクライナ防衛している人々を尊敬する。自分のような弱い人間にはできないだろう。

素朴な気持ちとして、椅子に座ったまま嘘をつき、人々を死地に追いやる政治家は憎い。

ただ、考えれば考えるほど今回の戦争において「プーチン無敵の人」なのではないかと思い始めた。

まるで、ひどく悪趣味NTRものを読んだ時や、個人的に嫌いな人間に何かで負けたときのような、やり場のない絶望感がある。

BBCではJames Landaleという人によって、以下のような5つの終戦シナリオが論じられていたので、それに沿ってどう彼が無敵であるか整理してみようと思う。

https://www.bbc.com/news/world-europe-60602936

1. 短期戦争

ロシアが圧倒的武力ウクライナ破壊しつくす。何千人もの人が亡くなり、キーウは陥落し、ウクライナ大統領は殺されるか亡命し、ロシア親ロシア傀儡政権ウクライナに立てる。反乱や将来の紛争が想定され、ウクライナの政情は不安定になるかもしれない

おそらくウクライナにとって最悪のシナリオだろう。個人的には最近戦闘エスカレートぶりを見ると十分ありえるのではないかと思っている。

この場合プーチンは「勝利したことになる。反乱が起きようが殺せばいいのだ。ジェノサイドをしているとみんなが言っても、映像が出ても、証人が出ても、結局誰も手出しできない。チベットがそうだ。誰かあれを止められたか

彼の権勢は強まるだろう。国内向けに言っている「ネオナチ」との戦いに勝った偉大な指導者なのだ旧ソ連領土を平定し、NATOに一泡吹かせたのだ。今の姿勢を見るに、アメリカはこの終わり方の後に手を出すこともなさそうだ。

ソ連崩壊したように、何年も経って、プーチンが死に、ロシア国内情勢が大きく変わればその時初めてウクライナ難民は帰れるのかもしれない。

なんにせよ、彼は一度勝ったことになる。

2. 長期の戦争

ロシア軍のモラル低下と補給失敗により戦闘が泥沼化する。占領した街のコントロールすら難しくなるかもしれない。時が経ち、西側諸国武器を送り続けることでウクライナ軍は有効な反乱を起こすことができる。何年もの後、ロシア軍は撤退するかもしれない

意外とこれが一番プーチンにとって辛いかもしれないと思う。経済制裁が続く中で軍を送り込み続けるのは難しいだろう。

とはいえすでにロシアから彼を批判するメディアは一掃された。ロシア国民は苦しむが、国民ほど彼が苦しむことはない。

ネオナチと戦い続ける偉大な指導者として君臨し続け、北朝鮮のような状態になるかもしれない。

ただ、彼は(彼の中では)負けていない。あまり明確にも勝ってないけど。ゆえに、最近の状況を見る限りこれを避けようとロシアは動いているように見える。

3. ヨーロッパ戦争

プーチン旧ソ連構成国、特にNATOに加盟していないモルドバジョージアに進軍する。それは誤算やエスカレーションによるものかもしれない。プーチン敗戦に直面し、これが彼の政権を存続させる唯一の手法であると感じれば、ヨーロッパ戦争リスクを受け入れてさらエスカレートするかもしれない

これはNATO西側諸国にとって最悪のシナリオだろう。ロシア核保有国だし、これが起きた時ばかりはどうなるかわからない。

ただモルドバジョージアEUでもNATOでもない)であればウクライナと同じ手法で持っていかれるんじゃないかと思う。

このシナリオプーチンが負けたことになる時は、NATOEU全面戦争になり、ロシア敗戦する時だろう。核爆弾の一発や二発は打たれてそうだ。

西側諸国も大きなダメージを受ける。世界の各地が破壊され、多くの人が死に、広島長崎のような惨状世界に再び広がっているかもしれない。

ただプーチンがこのシナリオ選択するとはあまり思えない。双方に痛みが大きいし、勝ったことにはなっても失うものが大きい。

NATOアメリカもいつまで経っても外から遺憾砲を打っているだけだし。偽善者どもが、所詮手を出せないくせに。スーカブリャット。俺がこいつら全員殺すところを黙って見てなとばかりにプーチンはあざ笑っているだろう。

西側諸国が全員ブチギレて、東欧を、ひいては地球不毛の地にする決断をしない限り、彼は勝っている。

4. 外交による解決

すでに交渉がされているように――まだめぼしい成果はないが――プーチン交渉による停戦可能性を受け入れているように見受けられる。しかし、戦争が彼の地位を脅かす時、終戦屈辱より戦争継続がより偉大なリーダーシップだと判断するかもしれない

これについてはウクライナが条件として有利になることはまずないだろう。現状、西側諸国分析を見ても押され気味だし、損失も大きい。

それでも高潔な彼らが戦いを選んだとて、ロシア武力で1.のシナリオに持っていくのではないか。その後は交渉しなかったときよりひどい結末が待っているだろう。

プーチンが負けた格好で交渉が終わることは到底ありえない。何かしら勝った格好で終わらせることしか許容していない。

5. プーチン政権を追われる

これは起こりそうにもない、ただ世界は変わった。もし戦争ロシアにとってひどい災禍をもたらせば、国民革命を起こす脅威がありうる。もしくは、プーチンから利益を得ていた人々が、彼は財産を守れないと考えれば、このような結果はありえる

これが彼の唯一の負けシナリオである。ここまで書いてきたシナリオも、最終的にここに行き着く可能性がある。

そうなれば彼は無敵の人ではない……が、国内メディアも抑え、ロシア国民反戦感情も大したこと無い、みたいな状態でこれがどれほど近い時期に起こりうるだろうか?

怪しい人間を殺して回っても良いのである西側は手出しできない。これまでも毒殺とか色々やってきたしノウハウはある。

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以上5つからプーチンは「ほぼ自分が何かしらの形で勝てる」と思ってこの戦争を続けているんじゃないかと思った。まあそうじゃないと始めないと言われればそうだけど。

西側諸国も薄々感づいているんじゃないか絶対言わないだろうけど。そして建前ではロシア批判し、ウクライナの人々にただただ武器を含んだ物資を送るだけに終止している。

ウクライナが滅びる時、家族祖国を失った彼らが「西側諸国は結局助けてくれなかった」って言ったら、どんな顔をするつもりなんだろう?

まり未来が暗い。でも昔から国際政治ってこういうものなのかもしれない。

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