特定の検索条件をお気に入り登録しておくと、そのキーワードに関する新着出品物が通知される機能がある。
私も例外ではなく、好きな芸能人・Aの名前を「お気に入り登録」しておき、気が向いたときにチェックするのが少し楽しみだった。
ある日、いつものようにチェックしていると、芸能人Aの画像を使いまわし、ある出品物が複数登録されていることに気が付いた。
品名は「芸能人A / 写真 L判★60枚セット」、商品説明は「友人から譲り受けました」とあった。
これには少し違和感があった。
メルカリ等のフリマサイトには、出品者の手元に実際に品物があるということを少しでも明確にするために
「実物の画像を使う」というルールがあるのだが、この出品物には実物の画像ではなく、写真の「画像データ」のみが使用されていたからである。
もし「友人から譲り受けた」のなら、なぜ出品画像が「画像データ」なのか。
ちなみに、実物の画像が無い時点で、メルカリのルールには違反している。
----以下メルカリ公式( https://www.mercari.com/jp/help_center/getting_started/prohibited_conduct/#b8 )より引用----
出品画像として、実際に手元にある商品又は購入手続き後速やかに発送が可能な商品以外の画像を掲載すること ▲
購入前に実物の状態を十分確認できるよう、実際に購入いただく商品の画像を掲載してください。
以下のような違反行為を発見した際は、出品を削除させていただく場合があります。
実物の画像がない
画質が粗いなどで商品の把握ができない
----引用以上----
そして、もう一つ怪しいと思った点。商品の状態が「新品」となっている事だ。
芸能人Aは既に70代である。若かりし頃の写真を新品で売っているのは、せいぜい下町の某店くらいだ。
画像検索してみれば、この出品者が出している写真は全て「雑誌や写真集」「TVのスクリーンショット」等であった。
私はこの出品物を購入していないため、確実に「偽物・複写である」という事は言えないが、
出品されている写真の掲載元である雑誌や写真集は、もちろんL判サイズではない。
既に取引を終えた購入者が残した評価コメントを見ることはできるので、そちらから商品の状態を推測することはできた。
良い、と評価を残した者は
「新品の写真だったが、写真がピンボケのものや、荒いものがあった」
「画質があまり良くなかった」
「本物を期待していたが、やはり複製だった」
悪い、と評価を残した者は
「ピントがぼけていて、写真集やパンフレットなどから転写されたようなものが複数あった」
これで「偽物」であることを判断することもできないが、少なからず私と同じように怪しいと感じた人はいた。
また、この出品者による出品物のほとんどが「複写」と見受けられるもので溢れていた。
そして、販売価格も高額なものでは5,000円と、かなり高飛車な設定がされている物もあった。
せめて、メルカリの事務局に通報してみる価値はあると思い、商品ページから通報をしてみた。
商品ページから通報ボタンを押し、プルダウンで該当する項目を選ぶだけだ。
まぁ、商品ページからの通報というのはあまり意味が無いらしい。
「メルカリ 通報」と検索すれば、ほとんどが「全く対応されない」という文句だった。
何のための通報システムなのか…と若干呆れながらも、今度は問い合わせページから「禁止行為について確認したい」と、メールを送ることにした。
実物の写真がないこと。
出品されている写真は、全て雑誌やTVのスクリーンショットであること。
雑誌はともかく、TVのスクリーンショットは公式の写真として出回るはずが無い事。
実際に購入していない為確証はないが、過去の購入者による評価コメントにも同様の意見があること。
通報しているが、出品者には「出品物が実物であるか」等、確認したのか。
「ご連絡いただいた件は、事務局で確認のうえ適宜対応いたします。
確認内容や対応の詳細は個別にご案内しておりませんので、あらかじめご了承ください。」
なので、これで終わりだ。
正直、こんなモンだろうな、とは思っていた。
メルカリの儲けは、ユーザー同士の取引が行われて発生するからだ。
偽物なら、メジャーな海外ブランドくらいしか対応しないのだろう。
大事なお取引がなくなってしまっては、儲けられなくなってしまうから。
メルカリは最近ユーザー対応に力を入れている、というのを見たことがあるが、
せめて担当者の名前だけでも書いてあれば、少しは違うのだが……。
メルカリでの出品物は、上に書いたような物以外にもグレーな出品物が多く存在する。
きっと私のように好きな物を守るために少なからず通報や問い合わせを行った方もいるだろう。
しかし、事務局の対応がこのままであれば、改善は絶対にしないだろう。
全国に名の知れた企業が、ユーザーから出品された違反物を放置しつづけていれば、少しずつ、確実に信用も薄れていくことだろう。
出品させないためにはどうしたらよいのか。