はてなキーワード: 君繋ファイブエムとは
流れに乗っかってお気持ち表明するようで、それはそれでクソダサだろうなと思いつつ、ずーっと思っていたことをちょっと書き出してみようと思う。
学生の時だからもう15年とか前か。それどころか20年近く前なのか?私は当時アジカンが好きだった。リライトから入って、ソルファと君繋ファイブエムはものすごく何回も聴いた。特に海岸通りっていう歌が、春になればずーっと聴いていたいくらい好きだった。
お金も時間もなかったし、ロックバンドのライブなんて行ったことなかったから、アジカンも見に行けたわけじゃないんだけど、だからその程度で好きとか言うなよって言われるかもしれらきんだけど、バンドのウェブサイトもよく覗きに行ってたし、そこに載っていた後藤さんの日記を読んだりもした。ものすごいユーモアとセンスがあって、何回も笑わせられたし、読みやすくてテンポもよくて、好きな文体だなと思った。
おかしいなと思い始めたのは、マジックディスクあたりからかな。サーフブンガクあたりからかな。
私は曲を聴く時にものすごく歌詞を聴いちゃう人で、歌詞が好きだとそのアーティストを好きになりやすい。ソルファも、そう言うポイントで好きなアルバムだった。
特に理由もなく離れていた時期があって、久しぶりにアジカン聴きたいなと思って手を出したのが、サーフブンガクとマジックディスクだったと思う。この辺りから、「世の中」と「大人」に対する、ネガティブなイメージの言葉が歌の中に増えていった。
「おかしいな」の違和感が決定的になったのは、東日本大震災の後あたりだったろうか。あのあたりから、思い切り反原発の話をし始めた話だったと思う。ここで完全に、アジカンは私にとってnot for meになった。
アーティストが政治の話をするなとは思わない。興味がないよりあったほうがいい。考えていた方がいいに決まっている。
それが何らかの形で発信されたとき、自分の考えと合わなかった時は致命的だ。その人たちの作り出すものがいくら好きでも、世の中のことは、つまり後々自分の生活に影響していく。その向く方向が違うのに、私は心地よく好きでいられない。
災害とか、不況とか、自分の手の及ばない理由で辛い思いをするのは、理不尽だって思う。クソだなって思う。思うんだけど、それ本当に全部世の中のせいで、全部世の中を動かす大人のせいなんかねって思っちゃう。
そりゃ私だって、10代の頃は大人ってクソだなって思ったことはあるよ。あるけど、実際学校出て仕事始めて、そんな簡単なことじゃないんだなって思ったんだよね。
思ったし、じゃあどう思うか、どうするかを決めるのは、結局最後は自分なんだよな。余裕のある時より当然選択肢は限られるけどね。そう思えるのは、私が今までありがたくも平穏に生きてこられただけかもしれない。いいさ、平和でお花畑な頭だって言われても。
後藤さんがいきなり政治的なことを言い出したわけじゃないっていうのは、多分その通りだ。大震災の後から、正確にはその少し前から、後藤さんの世の中に対する考え方が合わなかった。個人の考えどころか、それが作品=歌にも、「大人って、あーあ」みたいなのが滲んでいたから、彼らの歌を私は聴けなくなった。
そして今も、フジロック2021での、自身のバンド内ではないアクトのことで話題になっている。
大人は、世の中はクソだって云うけどさ、あなたも大概、もう十分大人じゃないのさ。
ロックなのかロックじゃないのかみたいなことは分からん。好きが過去形になって、もう遠くに行ってしまったのは、なんだかただただ虚しいよ。