はてなキーワード: シロフクロウとは
埼玉県こども動物自然公園で、今日クォッカの赤ちゃんが生まれたらしい。記念といってはなんだが、記憶を頼りにこのクソデカ動物園について語ろうと思う。
ゲートをくぐるとまず馬と人の小さなオブジェが見える。とりあえずそこがスタート地点のようなのでそこまで歩く。が、思った以上に遠い。やっと着いたと思ったら、件のオブジェがクソデカくそそり立っている。全然小さくない。開幕、遠近を狂わされているのだ。
このこども動物自然公園はあらゆる道が横に広い。そして、高い建物などがないので段々と距離感が掴めなくなっていく。人馬オブジェの先へ進むと、居酒屋のお通しのようにぽんとヤギが展示されていた。ここまでたぶん数百メートル。ようやく初めての動物を見た。
園の案内図を見る。敷地がクソデカくてまず笑ってしまう。ほぼ全面緑のマップに、時々思い出したように動物のアイコンが点々と表示されているありさまだ。動物アイコンが集中しているところは2箇所ほどあって、それぞれ東園・北園と呼ばれていた。まず東園を目指す。
案内図近くの売店で焼きそばを買って、ちょうど食べ終わる頃に東園についた。東園は有袋類が多い。コアラ舎では、飼育室の手前で山盛りのユーカリが「明日あたえるユーカリです」というパネルと共に展示されていた。フォントも相まってじわじわくる。
カンガルーのエリアへ行くと、クソデカ敷地の柵に入った何匹ものカンガルーを目にすることができた。しかし、なぜか「この先カンガルーコーナー」という看板がそこにはある。カンガルーなら今見ているが?と首を傾げながら先に進むと、現れたのはさっきの柵の内側に入る扉だった。え?????
なんと、このクソデカ動物自然公園ではカンガルーと同じ柵の中、マジで何の隔たりもない小道を歩くことができるのである。ふと見渡すと芝生のちょっと先にカンガルーが群れをなして立っており、バグった奈良公園みたいになっていた。人間とカンガルーを同じ柵にブチ込むことのできるこの大らかさ、さすが埼玉県こども動物自然公園である。懐もクソデカい。
次は北園に向かう。北園には乳牛などがいる。けっこう歩いたと思ったタイミングで「乳牛まで180m」という看板が出てきて笑ってしまった。緑に囲まれたちょっとやんちゃな坂を登る。近くの子どもがはしゃいで走ったあとすぐに体力を使い果たしてド低速になっていたのが印象深かった。
ようやく北園につくと、プレーリードッグやミーアキャットなどが間近で見られるエリアに来る。ペンギンやマヌルネコもいる。小さなネズミ種を集めた展示館などもある。ここまで坂を登ってきた健闘を讃えるように珍しい動物たちが次々現れるのである。ちなみに別のエリアで見たはずのシロフクロウをこの北園でも見ることができた。フクロウの補給ポイントが多くてありがたい。
北園から人馬オブジェに戻るまでの道では、カマキリと男児が戦っているのを2箇所ぐらいで見た。バッタと戦っているやつもいた。チャンピオンロードか?あと道脇にウソみたいにデッカいキノコが生えていた。漫画とかに出てくるサイズのやつだ。このクソデカ動物クソデカ公園はほぼ森でできているので、草木や虫もバリエーション豊かなのだ。
帰りのバスを待つまでの間、親の肩で寝ている子どもなどを見ながらふと、このクソデカ園は子どもの体力ゲージを限界まで削るためにクソデカく作られているのかもしれないなと思った。どんなに元気フルスロットルの子どもでもここで半日遊ばせたらクッタクタになるだろう。
ともあれ、子どもの足でどれだけ力一杯走っても簡単には踏破できないこのスケール、もし小さい頃に来ていたらとてつもない冒険の舞台に見えていたかもしれない。埼玉県に生まれる子どもが羨ましい。
埼玉こども動物自然公園はとにかくクソデカい。クソデカいゆえに夢がある。飽きるほど緑を浴びて、太陽の下でザクザクに揚がったポテトや屋台風の焼きそばをドライゼロで流し込んで、動物と動物の間をクッタクタになるまで歩きたくなった日には、ぜひ訪れてみてほしい。