教育関係の現場で、ある先生が「どの教科をやるにもとにかく読解力が大事です! 学歴を左右するというデータもあります! 大人になってからは取り返しがつきません!」って熱心に言ってた。
こういった話は、新井紀子氏がRSTを使った実験の成果を世に広めて以降流行った印象がある。「AI vs. 教科書が読めない子どもたち」という本でも有名である。
自分は本は読んだことないのだが、氏の講演を聞いたことがあるのでだいたいの主張は知っている。その中でも、先述したように、「RSTの結果が学歴と相関がある」という部分が印象に残っている。それと、将来の仕事にも影響すると話していた覚えがある。
まあ確かに、中々言うことが通じず指導に苦労してるときに「読解力無いなあ……」って思った経験はあるから、肌感覚では同意できる。
ただ、これに反する考えがある。それが、ツイッターをちょっと賑わせた「国語・現代文得意な人、予後が悪い説」である。実際、こんなデータもあった。
「国語が得意」は「得意科目が無い」よりも予後が悪いのマジで恐ろしい
https://x.com/mitomislilylove/status/1778318052003840216?t=dA5S6eZeNmaQHJ-ni-RKCA&s=19
これまた自分は肌感覚で同意してしまう。というのも、自分自身が、「国語、特に現代文はなんかできるがそれ以外がパッとしない」タイプで、実際良いとは言えない人生送ってるからである。
はてな関連の有名人だと、社会不適応の経験をよく書いている黄金頭氏も国語が得意だったようだ。
RST側の問題を疑うなら、出題範囲が教科書や新聞の文章であるが故に、その知識があるとゴリ押しできる問題が多少あるのかもしれない。それ故に、教科書や新聞の知識→RSTの点数という因果関係が生じてしまっている可能性がある。
何かしらの手段で知識を一切使えなくしたRSTを開発して、そちらでも学歴などとの相関を検証してくれないだろうか。
「国語・現代文得意なやつ、負け組説」側の問題を疑うなら、このデータはあくまで得意教科をアンケートで聞いたものらしく、「全部苦手だけど国語だけちょっと高いのでが得意と言った」って人が多かった可能性がある。