2023-07-14

こどもつかい」とTOBEとジャニーの性加害

こどもつかい」という映画がある。

監督は「呪怨」の清水崇、主演は滝沢秀明

監督を見ればわかるとおり、ホラー映画に分類される。


アマゾンプライム検索すると星2.5で一般の評判はよくないようだが、清水監督の猥雑さがうまく活かされる設定で個人的には面白かった。

さまざまな話が出て来た現在、なんだかやけにこの映画を思い出してしまうのである

「何故この設定にした?」とツッコみたくなるので、ご紹介したい。



以下、映画の核心部分のネタバレを含みます

ちょっと間を空けるので、見たくない人はここで離脱して下さい。



















さて、まずはあらすじをざっくり紹介しよう。









東京近郊で不審死事件連続して起きている。


種を明かすと、死んだ大人たちはみな子ども虐待していた。

大人に虐げられた子どもたちの霊が結託して、虐待者に復讐していたのだ。

心霊版「必殺仕事人」と言えなくもない。

からこの時点で、怖いというよりちょっとスカッとする。


しかホラーなので、話は「必殺仕事人」では終わらないのである

新聞記者恋人は、親から愛されなかったトラウマを持っていた。彼女は心の奥で子どもを恐れ、まっすぐ向かい合うことができない。

その結果、心ならずも、ある子どもに「裏切られた」という想いを抱かせてしまう。

の子は謎の男「こどもつかい」にさらわれ、彼女子どもたちの霊に付け狙われるようになる。

新聞記者恋人は、子どもたちの霊とたたかいながら子どもを取り返そうと追ううちに、思いがけない事実を明らかにする。

子どもたちの霊は、「こどもつかい」を中心に集まっていた。

彼を演じているのが滝沢秀明で、私はそのファンではないが、長年舞台をやってきただけあって身のこなしがなかなかいい。

こどもつかいは、ちょうどハーメルンの笛吹き男のような奇妙な男だ。

調べていくと、かつて火事で消えたサーカスと、そこにいた腹話術トミー存在が浮かび上がってくる。


トミーサーカス花形腹話術師だった。

優しくて紳士

多くの子どもに愛されていた。

しかサーカスに何者かが火を放った際、逃げ遅れた子どもたちを救おうとして死んだという。

ここでまた一気に種明かしをすると、人気者として語り継がれていたトミーは、よい人ではなかった。

そして、「こどもつかい」の正体は、トミー腹話術人形が魂を持ったものだった。

トミーは、サーカスに集まってきた子どもたちを誘拐し、自分人形としておもちゃにしていた(性的虐待を加えていたのではないかと思われるふしもある)。

火事の際も、子どもを見捨てて自分だけ逃げようとしたりしている。


腹話術人形は、トミーにかわいがられ、トミーを愛していた。だからこそ魂を持った。

しか人形には、トミー蛮行を許せなかった。

大好きな子どもたちに、大好きなトミーがおこなうおぞましい行為

それをとめようとして、動けるようになった。

そして、子どもたちの霊を率いて、子どもを苦しめる大人たちを抹殺する「こどもつかい」になったのだった。


こどもつかいをどうすれば撃退できるのか。

恋人は助かるのか。

さらわれたこどもは取り返せるのか。

ホラーおとぎ話」というような雰囲気映画である

なかなか面白いので、よかったらぜひ見てほしい。


さて、ジャニー喜多川氏の性加害への告発が続いている。

軌を一にするように、ジャニー氏の後継者と言われる滝沢秀明が、あたらしい事務所TOBEを立ち上げた。

その動きを見ていると、「こどもつかい」を思い出すのである

滝沢秀明ジャニーの性加害を知っていただろう。

大好きな親のような存在が、実は子どもにおぞましい性的加害を加えていた。

こどもつかい」の設定と重なる。

トミーという名もなにやら意味ありげだ。

清水崇は何故こんな設定にしたのだろう。

こうなると、もともと「ホラー映画」というジャンルだが、また別の意味ホラー感を感じてしまう。

TOBEを率いる滝沢秀明は、迷える子どもを集める「こどもつかい」にならんとしているのだろうか。

ホラーおとぎ話、「こどもつかい」。

今、また新しい目で見ることができる映画である

よかったらぜひ。

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん