アイドルマスターシンデレラガールズU149のアニメ最終回を見終わった。
小さい個性的なアイドルたちが活き活きと動き様々な表情を見せてくれて、とても丁寧に力を入れて作られてるなと感じた。
美麗な作画も、声優さんの演技も、新曲の数々も、ライブシーンも、素晴らしいものだった。
それだけに、お話の酷さですべてが台無しになってしまってるのが残念すぎた。
リアリティがない、薄っぺらい、一貫性がない、古典的、不快、陳腐、総じて雑。
せっかく最終回で素晴らしいライブシーンがあったのに、最後にポッと出た会長の適当なセリフが気になってまるで集中できなかった。
現実世界で、勝手に自分のやりたいことを押し付ける会長みたいな人間や、仕事を押し付けたくせに責任逃れをする部長みたいな人間が存在することはわかる。
本当にそれを描写して乗り越えることが、このアニメのストーリーを面白くすると思ったのか?
最終回で会長が、子供を閉じ込めて守ろうとする云々のセリフを言ってたが、部長たちの誰が子供やPを守ろうとしてた?
そういう設定のつもりだったら、パワハラじみたセリフまわしじゃなくて、しかるべき言動をするだろう?
デレアニの美城常務は後半の対立役だったが、あちらはきちんと目指すビジョンを掲げていた。
結果として異なるビジョンを掲げるシンデレラプロジェクトとぶつかったけど、言動とバックグラウンドに一貫性があった。
U149原案の漫画では、真っ当な大人が子供を子供扱いせず、プロのアイドルにふさわしい試練を与えて乗り越えるという地に足のついた前向きな話だ。
それなのにアニメでは、いい加減な大人が曖昧な理由で子供たちの障害になるという、リアリティの薄い後ろ向きな設定にされてしまってる。
原作じゃなくて原案だから違う設定なのは別にいいんだけど、まるで説得力がなく、お話の面白さにまったく寄与していない。
独自の説得力ある設定が作れないなら、原案の本質である世界観の筋は通してほしかった。
お話を作った人たちはちゃんと原案を読み直して、陳腐な嫌われ役を用意しなくても面白いストーリーが作れることを理解してほしいです。