鳥の王様選び(あらすじ知らん人は文末解説読んで)というグリ厶童話を思い出してしまう。
なぜ「誰それを応援している」という借り物の御旗で調子に乗るのだろうか。
お前が虎の威を借りているものの素晴らしさとお前の間にある繋がりなんて細すぎるだろ。
無数にいるファンの一人でしかなく、パトロンやスポンサーと呼べるのかも怪しいくせに。
なんだろう。それで「俺こそがこのキャラを愛してる」とか言うの辞めてもらえますか?
お前が好きなのはお前だろ結局。
そのために利用してるだけだろ。
お前が見出した原石でもなければ、お前が磨いた宝石でもないものを、「この素晴らしさが分かるなんて自分は素晴らしい」とかよく言えたものだな、と。
好きだという権利はあるし、それを共有するのはいいことだと思う。
何かが好きというのを自分の事実として受け入れるのは大切だよ。
自分の趣向を知るのは大切だ。
でもそれで自分が何者であるのかを認識するのはやはり良くないと思うな。
子供の頃の楽しかった思い出にずっと固執してるとか、なんとなくこういう色合いが好きとか、そういったものの積み重ねの果てに推しが生まれるわけだ。
それを「これが好き」で止めるなよ。
たとえば「鉄道」が好きなのをちゃんと「自分の生活に根ざしたものでないと興味が沸かない。人間や動物は怖いから無生物が好き。揺りかごのような振動に安心する。個人が所有するのが難しい物の方が、好きなのに持っていないという矛盾を受け入れやすい」みたいな分析を深めていって、そこに自分のアイデンティティを持てよ。
雑なんだよ。
「これが好きです!全部好きです!」なんてのはさ、相手も自分も分析する気がなく理想を一方的に押し付けてるだけだろ。
そういった態度がやがて「俺の理想通りにならないはずがないんだが?」という思い込みを生んでストーカーや窃盗に繋がるんだ。
自分がなにをどう好きになるのか、どういったものが好きなのかでキャラ付けして、その結果として推しを持て。
自分の価値や自己認識を無から生み出すための手段として推しを利用するな。
それはただの痛い人だ。
鳥がある日王様を選ぶことにした。
カラスは様々な鳥から羽をパクって自分の体に貼り付けまくり、コンプリートフェザーフォームでランウェイを歩いた。
実況からは「素の自分でオタクは黒に染まれしてればワンチャン」