私の事好き?嫌い?っていきなり言われるようなもんだぞ。
これがChoromeのデフォルトの通知ならまだ小さいから別にいい。放置して記事を読むだけ。
なんか独自のポップアップで画面の1/4を占めるぐらいのスペースを確保してきたらもう無理。
日本人は決断が出来ないとはよく言われるものこんなちょっとネットサーフしたぐらいで決断せまられても困るのよ。
これが嫌なもんだから通知の確認はOFFにしてたんだけど、先程新しく導入したiMacの設定とか操作の確認のために調べ物しただけで至るところで決断迫られて未だにこんな不毛なことやってるんだなってなった。
知らない。俺はちょっとわからないこと調べただけでおまえのことが好きかどうかなんてわからない。
「私の事好き?」
「なんで?」
「ずっと私のこと見てたでしょ」
今ならわかる。これは女側の気を向かせるテクニックなんだ。確かに見てた。目で追ってた。
「うん。見てたけど…」
「好きなんでしょ?」
内定が決まったばかりで童貞の俺は沈黙した。女に慣れてないからだ。彼女としてはこういった駆け引きをしてそんなに盛り上がらない合コンを自分なりに楽しもうとしてたんだ。
確かに好きだったのかもしれない。その当時は山ガールみたいなちょっとラフで動きやすい服装が受ける感じだったのか4人中3人がそういうファッションのところ、一人だけ気合いれたふわゆる系の服を来ていたので童貞の俺は目で追ってしまっていたんだろう。
「ファッションは好き」
それだけ言う。
「じゃぁファッション以外は嫌いってこと?」
「なんでそうなるの」
ほんとなんでそうなるのかわからなかった。
「私は君のこと良いと思うんだけどなぁ」
と言いながらさりげなく腕を組まれる。童貞の俺の脳内で「ヤれるぞおまえ今日卒業」という声と「アホバカおまえ冷静にアプローチしろ」という声が鳴り響く。
だが俺がとった行動は沈黙だった。目の前にあるお酒を飲みながら沈黙を選ぶ。
「ねぇねぇ話そーよ− 休日とか何してる?」
そういって彼女は少しでも盛り上げようと話しを降ってくれる。でも仕方ないのだ。大学4年間ずっとバイトと勉強しかしてなくて遊ぶ暇があったらネトゲしてた陰キャだから。
そのまま何もなく。好きも嫌いもなく席替えが行われ、その後となりに来た女性が同じネトゲしてたことで意気投合してゲーム内で遊ぶぐらいの友達にはなった。付き合うことはなかった。
わかるか?つまりいきなり「好き?嫌い?」じゃないんだ。