2021-07-31

「ダラダラ、ネットなんか見てるの時間無駄じゃない?」

インターネット無為に漂い続けて、ニュースサイトをみては世の中を憂いたり、議論に参加している気になったりして、時間無駄に浪費している。そんなことをやめて、人生有意義に使おう。時間は限られている。」みたいなことを言われたりする世の中じゃん、最近

俺、42歳の男でさ。年上の奥さんがいるんだ。

この人が俺には勿体ないくらい、とても素敵な人で立ち振る舞いや感じ方を尊敬してるんだ。いつまでも元気で居てほしい、って、そう思っててね。

でね、俺はさ、一応、ちょっとした専門職いたことをしているものの、賢くはなくて。

まあそんなことは、こんな滅裂な文章句読点の使い方を見りゃあ分かるだろうけどさ。

そうだなー、ゲームクラスでいうと下級職って、感じ。

それでも、まあ、それなりには、こ忙しい毎日でさ。

毎日お仕事が終わって、家事も終えて、ボーッとネットの海に漂っている時間がワリと好きだったのよ。

「おー、このアイコンの人、面白いこと言うなぁ」とか、「しょうもないニュースだな」「鋭い!それ!俺も思ってた!(言語化してもらっただけ)」「この話は何の話だ?検索して探してみよう…ほうほう、こんな話か」「そんな見方があるのかー!理解できないわー!」みたいな瞬間とか。

そうだなー、あとは「ああ、やっぱり、それなりに考察するときには一次ソース大事なのか」みたいな学びも、まあ、ごく稀にあった。

そして、そんな鋭い発言や学びを、ときには妻にさも自分が考えたみたいに得意げに話した。妻はいつも素直に感心してくれて、僕はカッコがつけられて満足だった。

効率マンの方々からしたら、無駄に見える時間だろう。それでも、1日の終わりを演出する晩酌のような、無駄のない、無駄インターネットを繰り返した。楽しかった。

でもね、そんな平穏な日々は続かない訳よ。

そう、みなさんの予想通り。

妻が体調を崩したんだ。結果からいうと脳血管系の厄介な大病だった。

症状が出た、最初とき。俺は慌てたよ。大変なことが起きたと思った。それで、俺はこれまでインターネットの海に漂いながら身につけたスキルをたくさん使ったんだ。俺はこの海の泳ぎ方、少しだけ知ってる。知ってた。

たとえば、妻の症状を調べて、なかなか見つからなかったから、類語辞典で類語をひいた。賢くないか言葉を知らないんだ。違う言い回し論文検索したりしたら、ようやく「あ!」と思うものに辿り着いた。

コレだ。この病気かもしれない。

中規模総合病院にかかって、その話をしたら、先生も親切で、しっかり検査をしてくれて、結果、実際の病名もドンピシャ

結局、今は見つけた論文先生のところに回されてかかってる。10万人に0.3人くらいのめずらしい病気だった。

「あと半年遅れたら、大変なことになっていましたね」と言われたとき、血の気が引いたのと同時に思ったのよ。

この文章を読んでいるだろう、どこかのインターネットで、すれ違ったみなさん。どうもありがとう

感謝を伝えたい気分なんだ。

我ながら、身勝手なもんだ。

無駄に思える時間も、意味がありました。

繋がりの中で生かされてる…とか、平凡なことを思ったよ。

俺たちの旅無駄じゃなかった」って。

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