TVシリーズも旧劇もリアルタイムでは見ていないが、新劇の前には一通り見ていた、程度の思い入れ。
解説サイトとかはつまみ食いするけれど、資料集とか一次資料などにはほとんどあたったことがない。
いや、面白かった。観てよかったし、何度も観に行くと思う。
特に、ミサトさんが良かった。撃たれるシーンや突撃のシーンとか泣いたよ。
(撃たれて壁によりかかってるシーンは、アウトレイジの大友の「何かってえと腹やられるな」というセリフがふと浮かんだ)
終盤のそれぞれのストーリのところは。右隣のオッサンがいちいち嗚咽してたから急に冷めたけど。
それはよいのだが、乗り切れないのはラストシーンだよ。
俺が、特に旧劇を観てエヴァがいいなと思ったのは、ハッピーちゃん♪ちゃん♪で終わらせてない点だった。
普通の映画なら「色々辛いことはある。でも、他人がいる世界を望むんだ!」となったら
エンディングはアスカと手を取り合って世界を再建していくみたいな雰囲気で終わるだろ。
他人と触れ合えて幸せを感じても、結局ひとりになる瞬間はあるし、恐怖を抱く瞬間も必ずある。
それに映画はラストシーンで終わるが現実は死ぬまで続く。その人生の終焉が不幸で終わるということもある。
その両面性を見せずに美味しい上澄みだけ掬って提供されるのが普通の映画だと思っていた。
エンターテインメントとして、そのような楽しさは理解しているし好きではあるのだけれど、
「でも虚構よな。現実はこんなんじゃないじゃん」という心の声が常に響いていた。
だけれど、旧劇は「気持ち悪い」で終わった。
ハッピーだけじゃなぞ甘ったれるな、という現実っぽさも入っていた。
キャラクターや映像も好きだったけれど、俺にとってリアリティがあったから好きだった。
それがシン・エヴァでは、徹底的に破壊された世界がいつの間にか再建されて平和な日常になっていた。
そして未来に向かってつがいが走っていくという陳腐なラストシーンだった。