2020-12-17

anond:20201216204353

分かりやすくなるようにアムロというキャラクターに着目した表現をしたけど、アムロなりシロッコなりカロッゾなり、個のキャラクターだけを見て「はいこいつの言動モラル違反~!そういうキャラいるか富野作品モラル違反~!」と怒ってるっつうワケではない。

かにそういう心理になりがちだから、私にその部分がないとは言い切れないけど、距離を置きたいとは思っている。

私としては、富野キャラクターたちはそこそこ色んなスタンス人間がいるのだが、全体の流れや演出だと、前半は厭世が強めでも結末部分には性や生殖肯定が感じられる、そしてその肯定唐突さがあるという方が本丸である

流れや演出からなんとなく感じたものなので説明が難しいのだが。

Zなんかは、基本的には鬱屈が漂ってるくせに誰もかれも妙に色恋に熱心で、その色恋のせいで死ななくてもいい人もたくさん死んだのに、それにも関わらず露骨セックスメタファーを感動的に描いたラストで終わる。

F91もそれに近い。F91シーブックはそこまで鬱屈してないが(なんか母親距離感じたけどな)、セシリーに家庭環境のヤバさと生きづらさと情緒不安定さが付与されてて、そんでラストはイチャついて終わる。

初代と逆シャアの組み合わせは、ララァとの出会いが結局アムロにもシャアにも深い傷になってるし、逆シャア内だけでも男女のもつれでゴタゴタしてるし、ケーラもアストナージもクェスもギュネイもチェーンも死ぬし、やっぱ性愛ってダルいぜと思わせてるけど最後は命の力で命が救われて命って大事って雰囲気になる。

他のトラバに「生命賛歌が共通してある」という言葉が出てて、確かにそういうニュアンスがあると思う。

そしてその生命賛歌が、急に出がちな気がする。

私が見た限り「色々しんどい場面見せたけど、でもやっぱり生命ってステキだよね!」という感じなのだが、その「でもやっぱり」の根拠が薄いと思うんだな。

しんどい場面たちは相当な説得力をもってシーンが重ねられるのに、生命ステキさは自明の事のようにポエムっぽい演出で描かれて、置いてけぼりにされてしまう。

記事への反応 -
  • 初代ガンダムの映画とZの映画とF91の映画と逆襲のシャアとリーンの翼を見た。 基本的にどれも面白かった(面白くなきゃこんなに見ない)んだけど、全体を貫く家族観というか男女観と...

    • それってほんとに富野の主義の話か? 富野はキャラクター没入型の作品作りをしないから一つの作品に強い女だったり昭和の少年だったり多様な人物像が混在して描かれることが多いと...

      • 分かりやすくなるようにアムロというキャラクターに着目した表現をしたけど、アムロなりシロッコなりカロッゾなり、個のキャラクターだけを見て「はいこいつの言動はモラル違反~...

    • 宗教作品じゃないんだから、作品内でいろんな志向が語られる方がリアルっぽいだろ。 現実だって性差に無頓着な場面と強調されるような場面があるし、家族は呪いである側面も、家族...

    • 富野アニメなるものを全く知らんけど 女性性を持ち上げたりしたあとに、逆に所詮女子供と馬鹿にしているような言動を主人公格が言ったりする。 これは矛盾しないだろ。特に高齢の...

    • 富野と言うのは空を飛べなかった人なんですよ。富野は両親を嫌っていますが、その両親がいなければ今の富野が生まれ得なかったというのは本人の弁です。監督という仕事をやるよう...

      • なかなか頷けるコメントありがとう。 でもスッキリしないのが、「今という時に地に足を付けて考えてみれば、子孫を残す為に男と女がセックスをして女性が子を宿し、家族を形成して...

        • そりゃ子孫を残さない限り遺伝子は受け継がれないから。 新しい在り方をした人類が出てきてもその遺伝子が残らないのであれば、結局それは一過性の偶然で終わって人類は古い生き方...

          • エゥーゴは一応反体制って言っていいのでは 結局勝ったらそいつも紛れもない体制側になっちゃったってだけでさ

    • 敢えて雑に論評するけど今の世の中で幸せに楽しく暮らしてる人はお前みたいな男女感とか家族感にはなりえんのよ、今の世の中で幸せなんだもん お前は色々うまく行ってないからそう...

      • 私が人生うまく行ってないから価値観が普通じゃないというのはその通り。 我ながら機能不全家庭育ちのオタクが性別や家族へ不信感持つパターンの典型だと思うし。 でも富野もアムロ...

        • 描写の技巧不足とアニメによる時間制限で深く描けていないだけじゃない?と思うけどちがうんかな 後者はニュータイプ同士だからて色々説明つけれちやうんじゃない?だめ?

    • 個人的には、富野作品には「生命賛歌」のような思想が共通してあるように思う。 命のすばらしさとそれがあっという間に消え失せるリアルな儚さとでもいうのかな。 で、「生命賛歌...

      • 貴様ほど急ぎすぎもしなければ、人類に絶望もしちゃいない!

    • よくわからんがこんなヤツもいるよねくらいのキャラクターもでてくるんじゃないか? 出てくるキャラクターが全て作者の代弁者だったらおかしい

    • 全然詳しくないけどアムロってガンダムをすぐ乗りこなせたんだっけ? 初めて接近するもの(=異性)とすんなり波長を合わせられるタイプなんじゃね 的外れだったらすまん

    • Gのレコンギスタも見るんだ最終話にご夫婦揃って少しだけ出演されてるぞ

    • ブレンパワードを見るといいんじゃないかな。あれを見ると富野の女性観(母親観)が感じられるかもしれない。同時に家族論みたいなところもあるし、登場人物みんな機能不全家庭の出身...

    • 性別が変わらないのは人間が生まれた時からの性を生涯維持するしかない高機能な生物だからだよ 局面に応じて生物としての在り方を変化させる必要があるほど過酷な環境で それまでの...

    • 富野作品には厭世観や人間不信が感じられるので、生殖や恋愛への否定を予想して見ることになるのだが、いつの間にか性愛への肯定描写がされていて、そこがうまく繋がらないのだ。...

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