2020-11-20

夫婦別姓からどんどん選択肢を増やしていこう

夫婦別姓選択肢を増やすだけで別姓にする選択肢を選ばない人には無害だとする論がある。選択肢は多ければ多いほど良いのだと。現在ある制約を緩くして選択肢を増やしていく思考実験をしてみよう。

夫婦は姓を夫妻どちらかから選ばなければならない

これにチャレンジするのが現行の夫婦別姓案。

夫婦の姓は別姓としても元のものから選ばなければならない

選択夫婦別姓が達成された世界であっても田中さん鈴木さんが結婚した時には田中さん田中さん鈴木さんは鈴木さんに留まるだけであり新たな姓を作ることはできない。新たな姓を作ることができる世界だとどうなるだろう。田中さん鈴木さんが結婚して同じ超合金という姓を名乗ることも、田中さん鈴木さんがそれぞれ超合金さんと木材さんになることだってできる。選択肢を増やすのは良いことだ。多様な名前楽しい世界になるだろう。

新たな姓を自由に設定できる世界では更にややこしい制約が発生することだろう。どんな文字を使えるのかという制約だ。現行法では子供名前に使われる文字に関して戸籍法が定めている。

戸籍法第五十条には

1 子の名には、常用平易な文字を用いなければならない。

2 常用平易な文字範囲は、法務省令でこれを定める。

とあり、この常用平易な文字というのは戸籍法十条において以下のように定められている。

戸籍法第五十条第二項の常用平易な文字は、次に掲げるものとする。

一  常用漢字表平成二十二年内閣告示第二号)に掲げる漢字(括弧書きが添えられているものについては、括弧の外のものに限る。)

二  別表第二に掲げる漢字

三  片仮名又は平仮名変体仮名を除く。)

これを鑑みるに、姓が自由に決められる世界では次のような制約が発生するだろう。

新姓には常用平易な文字を用いなければならない

新姓を設置できる新たな世界は素晴らしいが現状では常用漢字プラスアルファカタカナひらがなしか使えない。これは不便だ。新姓をつくる際に使えない文字存在するのは不便だ。外国人結婚した際にその外国人の姓を名乗ることを決めた場合であれば発音が違うのに無理矢理カタカナを使うことを強制される。不便だしアイデンティティー喪失につながるだろう。

文字制約を緩めるのは非常に難しい問題だ。どこまでの緩和を認めるのか。ローマ字も良いのか、漢字簡体字も含めるのか、アラビア文字も許すのか。現状世界中の文字を一手に扱え最も普及しているものとしてはUnicodeがある。最新のUnicodeに含まれ文字は全て許すとすれば制約はかなり緩まると考えられる。新姓も子の名もUnicodeに含まれ文字なら許されるというように変えれば自由度は格段に上がるし選択肢も増える。選択肢の多い世界は素晴らしい。例えば㍻㍍くんという名前合法だ。人種配慮した名前の付け方もできる。👋🏿くんも👋🏻ちゃん存在可能だ。多様性配慮選択肢の広まった素晴らしい世界だ。

姓の変更には家庭裁判所許可必要であり裁判では日本語使用必要である

夫婦別姓、新姓の自由を手に入れ、文字選択肢自由も手に入った世界になったは良いが未だに問題は残っている。別姓を名乗っていたのに同姓にした場合、またはその逆、または新姓を名乗りたくなった場合はどうするのだろうか。現状の世界では戸籍上の氏の変更には家庭裁判所許可必要だ。そして裁判所法第七十四条には「裁判所では、日本語を用いる」とある。せっかく文字自由を手に入れたのに日本語以外の文字だと問題が起きてしまう。より選択肢の多い自由世界を手に入れるためには家庭裁判所許可要請廃止するか、裁判所法を改正する必要があるだろう。

面倒なのでこの際どちらも変えてしまおう。戸籍の氏の変更に家庭裁判所許可必要ないし、裁判では日本語を使う必要もない。素晴らしい世界だ。選択肢が増え世界は良くなった。

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