中学生の時、一時期「空腹時に自分の腹が鳴る音」を異常なまでに忌避していた
正確に言うならば「自分のお腹の音をクラスメイトに聞かれること」だ
育ち盛りの時期だったからという要因もあるかもしれないが、朝しっかり朝食を食べてから学校に行っても、3時間目の途中からだいたい空腹になった
それを隣の席の人、周辺のクラスメイトに聞かれるのをとにかく恐れていた
理由は多分「恥ずかしいから」「内心で笑われるから」だろう 当時私のクラスでのカーストは激低だった
陽キャだったらお腹の音が鳴っても笑って誤魔化せたんだろうが、ド陰キャの私にはどうしてもできなかった
3、4時間目の授業はいつもほぼ上の空の状態で聞いていた 自分の胃袋と格闘していたから
一度、四時間目の小テストの時間にめちゃくちゃ大きな腹の音が響き渡った 隣の席の人は気を遣ってか(そもそも興味無いのか)ノーリアクションでいてくれたが、
授業が終わった後にクラスのカースト上位でソフトテニス部の美人な女の子が「さっきテスト中に誰かめっちゃお腹鳴ってたよね~」と笑っているのを聞いてから更に拍車がかかった
お腹が鳴りそうだったらとにかく腹を引っ込ます 休み時間の間にとにかく蛇口から水道水を飲む
校内の飲食物の持ち込みは禁止されていたが、当時発売されていた「ぐーぴたっ」というお菓子をわざわざお小遣いで買ってはこっそり制服のポケットに仕込んで、トイレの個室でこそこそと食べたりもした
中間テストの時の4時間目、どうしても耐え切れなくなった時のことをよく覚えている
とにかく大急ぎで適当に理科のテストを解いては答案を裏返しにして、「具合が悪いので保健室に行ってきます」と教室から逃げ出した
テストが終わってから教室に戻ると、試験監督をしていた先生に「体調大丈夫だった?」と心配されてしまい、とにかく申し訳なかった
学校が終わると一旦家に帰宅して、「カップ焼きそば」と白ご飯をかき込んでから塾に行った(塾が終わって帰宅してから晩御飯もしっかり食べた)
そんな生活を続けていたせいで中学3年生の春に身体検査で体重を図ると、体重が10キロ以上も増えていて目を剥いた
とにかくあの時の自分は「腹の音を聞かれる」というのを異常に恐れていた
腹の音を聞かれるくらいだったら裸を見せた方がマシぐらいに思っていたかもしれない
その内中学を卒業して高校生になり、大学生になり、静かな教室で講義を受けていてもあれほど恐れていた腹の音が鳴らなくなった
育ち盛りが終わったからだろうか、というかもう気にしなくなったのかもしれない
友達と談笑している時にお腹の音が鳴っても、「お腹空いちゃったわ~」とへらへらと笑うことができるようになった
今思い返してみると不思議だ