2020-05-02

読書記録

コロナ禍に伴う外出自粛で持て余した時間有益に費やそうと、学生時代ぶりに読書をしようと思い至る。

以前からゲーム時間を奪われてばかりだが、「良質な人生」やら「スキルアップ」やらのため読書をすべきと思ってはいた。

そうした気分と、今回のコロナ禍という状況を鑑みて、前々から気になっていたジャレド・ダイアモンドの「銃・病原菌・鉄」を読むことにした。

学生時代に同著者の「世界史」を読もうとしてギブアップした苦い記憶があり、今回はしっかりと読み込みたいと思っていたので、こうして読んだあとのことをアウトプットしておきたいと思った。

しかし、数多の名だたる知性人たちが読み漁り語り尽くされた名著を、今更に教養のない者がまとめても誰も得しないので、ただ個人的に気になったところをいくつか己の言葉にする程度にとどめておきたい。

今回は、特に気になった「病原菌」がどのように世界において役割果たしていたのかという所である

病原菌」とは他の生き物の構造感染し、伝播することによって己を増殖し存在拡散していくものと大雑把に理解した。

時に細菌突然変異によってその性質を変えることがある。ネコにだけ感染する菌が、ネコからヒトへ感染するようになり、さらにヒトからヒトへ、という具合である

しかし、この問題は前提に「異種」が接触する範囲存在し、更に突然変異を発生させるだけの試行回数を重ねる環境を要する。

世界では、先んじて家畜と共に暮らす人びとが家畜から細菌接触し、そして(結果的に)その耐性を得て、遺伝子に刻み込んでいった。

逆に、家畜を持たず生きてきた人びとは、こうした機会を得ることはなかった。それだけの理由で、家畜を持った人びとと比べて、免疫という力において圧倒的に不利になる。

その「家畜化の条件」から栽培可能植物」、果ては「大陸の形」に至るまで様々な要件を読み解き、現在世界情勢に至る起源多面的に語り尽くそうとしたのが本書だった。

私は「人やイベント名前を覚えるのが致命的に苦手」で、歴史という学問にあまり興味が沸かない。

それでも、今に至る歴史の流れの中に、ただ条件が悪かったと言うだけで死んでいった者たちで溢れていると思うと、今生きている私が明日を迎えるかどうかすら約束されてはいないという事実に思い当たり、陰鬱とまでは行かなくとも、逃れがたい何かに流されているような、言いようのない浮遊感を覚えてしまう。

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