今となっては過去の話だ。私は当時の会社を辞めて二回転職した。
新人はプライドが高く、OJT担当の同僚は何事も素直に吸収できない彼に悩み一生懸命指導していたことを覚えている。
彼は大学時代バックパッカーであったことを誇りにしており、Facebookのフレンドが1000人越えであることを飲み会のたびに自慢していた。
彼の吸うたばこはベトナムの安い手巻き煙草で火をつけると異臭がした。
(元)弊社は国内の特定業種向けのニッチなシステムが得意だったのだが「グローバル展開しましょうよ!」と社長に直談判しに行っていた。
「グローバル」「世界中」「海外では」が彼の常套句であったが大学時代に受けたTOEICは300点代くらいだったらしい。彼の言う世界がアジアなのかヨーロッパなのかそれすらわからなかった。
自分の住む町マジスラムですよ、と同じ地域に住んでいる人がいるのにめちゃめちゃけなす(が具体的なエピソードがないのでオチがない)のはしんどかった。
彼は1年ぐらいでやめた。
退職理由はあまりみんなに話さなかったが今後は実家に帰って農業を継ぐのだそうだ。
それで終わればよかったのだが、ひょんなことから彼の退職エントリを見てしまった。
退職エントリはNTTとかGOOGLEとか規模の大きな会社を退職した人が備忘や周知や告発のために書くものだと思っていたが、社員数100人ぐらいの中小弊社を辞めて書く人がいるとは思わなかった。
こんな会社で一生働いてて見通しが立たないこと。
働いててハッピー☆ そうな顔をしている先輩がいない。
田舎に帰って農家を継ぎながらクラウドワークスでプログラムの仕事をすること。
OJT担当の先輩が1年間、毎日60分ぐらいビジネス文書を添削したのにものすごい悪文だった。